ケイバ熱盛ブログ「さとりちゃん」(10月17日)

 こんにちは。栗東・松浦です。阪神競馬場で仕事をしていた16日(土)は、朝イチから取材&原稿に追われて四苦八苦…。そんなこんなで、昼メシもサッと済ませ、やっと落ち着いたころに行われた阪神8R。適当な言葉が見当たりませんが、不思議というか、非常に感動的なシーンに立ち会いました。

 1勝クラスのダート6F戦。混戦の中、直線の叩き合いでグイッとひと伸びしたのが、8番人気のジョウショーモード(牡3歳、栗東・服部)でした。その瞬間、私は思わず「さとりが押したな~」と口にしていました。

 あれは7日(木)の夕方。トレセン記者室から記者寮への帰り道に、愛犬と散歩中の西浦厩務員を見かけました。彼とは古い仲で、そもそも彼の奥さんは私がかつて解説をしていたラジオ番組のMC担当でした。コロナ禍の前にはよく自宅へ招いていただき、愛犬さとりちゃんを交えて食事をともにしたものです。

 再会から2日後。西浦君から信じられないLINEが届きました。「今朝、さとりが亡くなりました」。確かに、彼から「もうおばあちゃん。目は見えていないんです」とは聞いていたけど、まさかこんなに急に天国へ旅立ってしまうとは…。彼の悲しみは計り知れないが、奥さんの方はもっと心配。案の定、私から送ったLINEはずっと既読スルーのままでした。

 その背景を知っていたので、最後の直線でジョウショーモードがグイグイと伸びてきたときには思わず息を呑んだ。地方競馬から再転入したばかりで、即通用とはいかないと思っていただけに、目の前で繰り広げられている光景は“見えざる力が働いた”としか思えませんでした。

 レース後、奥さんに祝福のLINEを送ると、久しぶりに返信が届きました。「ありがとう。今朝、旦那さんが“さとりも一緒に”って、遺骨を入れたキーホルダーを競馬場へ持って行って。ゴールの瞬間“さとりだ!”って思ったら涙が止まらなくなった」と-。

 スピリチュアルなことはよく分からないけど、ジョウショーモードの勝利が、悲しみに暮れていた西浦夫妻に明るい光をもたらしたことは間違いありません。こういう不思議なことが度々起こることも、また競馬の魅力と言えるのではないでしょうか。恐らく、あれはさとりちゃんからの感謝のメッセージでしょう。目に見えるものが全てではない。そう思えた瞬間でした。

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