遠隔操作でロボットがPCR検査、神戸市が予算5千万で支援
神戸市が6月3日、医療用ロボットの開発をおこなう「メディカロイド」(神戸市中央区)との連携を発表。新型コロナウイルス感染症の再拡大に備え、PCR検査ロボットなどの開発・社会実装に向けて協力するという。
「緊急事態宣言解除後、いつ第2波が来るかわかりません。それを前提とした医療体勢を整えることが必要」と話した神戸市の久元喜造市長。
メディカロイドはPCR検査ロボットや遠隔操作によるケアロボットなどを開発しており、「現在、PCR検査には医療従事者への感染リスクや、高い技術力を要する人材確保の課題がある。このロボットシステムはこの課題に寄与します」と期待する。
例えば、遠隔操作で唾液や鼻から検体採取するロボットシステムを導入すれば、現在の462検体の約3~4倍もの検査数を確保。24時間体制も可能になるという。
「医師による遠隔操作でロボットが採取するのは日本で初めての試み。独自の技術です」とメディカロイドの橋本康彦社長は自信を見せる。
鼻からの採取は医療認証を必要とすることから、医療認証を必要としない唾液採取でのPCR検査ロボの社会実装を今年10月に目指すという。
神戸市はロボットを活用する病院や宿泊施設との調整や支援、開発に必要な財政支援をおこなう予定で、予算は5000万円。久元市長は、「神戸医療産業都市発のロボットシステムが開発された」と期待を寄せた。
取材・文/岩本
(Lmaga.jp)