「迷路絵本シリーズ」で知られる香川元太郎、精緻なイラストの中にかくし絵の個展

「迷路絵本シリーズ」や「歴史考証イラスト」で知られる香川元太郎(1959~)。彼の大規模な個展が、「芦屋市立美術博物館」(兵庫県芦屋市)で12月5日よりおこなわれる。

「迷路絵本シリーズ」は、2005年に刊行された『時の迷路』以来、シリーズ累計270万部を発行する大ヒット作だ。グランドキャニオンやバベルの塔、グレートバリアリーフなどを描いた精巧なイラストのなかに迷路やかくし絵が仕掛けられており、問いを解くうちに歴史や自然について学べるという優れた教育ツールとなっている。本展では、『時の迷路』『宇宙の迷路』『おもちゃの迷路』など11タイトルの原画を展示する。

一方「歴史考証イラスト」は、姫路城天守閣や鳥取城攻囲戦など、日本の城や歴史の舞台となった場面を鳥瞰図や断面図で描いたもの。その制作にあたっては歴史学の専門家と綿密な考証を重ねており、歴史の一場面を具体的かつ多角的に知ることができるとして高い評価を受けている。

本展では両シリーズ合わせて150作品を展覧し、香川元太郎ワールドを展観する。また同館1階に立体迷路を特設して、迷路絵本の世界を3次元で体験できるのも楽しい演出だ。作家本人や学芸員のギャラリートークも多数開催されるので、絵本、迷路、歴史のファンなど幅広い層が楽しめるだろう。期間は、2021年2月7日まで、料金は一般1000円。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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