関西のお笑い賞レースで異質な存在…松竹芸能・オーパスツーって?「下克上の人生だった」

関西若手漫才師の登竜門『ytv漫才新人賞』(3月2日放送)で「松竹芸能」史上初となる決勝戦進出を果たし、一躍注目を集めたお笑いコンビ・オーパスツー(しんじょう、大ちゃん)。勢いそのままに、4月12日に開催する『第60回上方漫才大賞』(カンテレ)新人賞にもノミネートされた。

同賞でもやはり、吉本興業の若手コンビ6組に囲まれるなかで、唯一の「松竹芸能」からの選出。まさに、大阪のお笑い関係者の注目度は高まるばかり。今回はそんな2人に、現在の活動などについて話を訊いた。(取材・文/田辺ユウキ)

■ 「おもしろい」と言わせたら、勝ち(しんじょう)──『上方漫才大賞』新人賞は、2024年の活動の総合評価からノミネートが決まるもの。喜びも大きかったのではないですか?

しんじょう:めっちゃうれしかったですけど、「ほんまに?」っていうのが本音です。『上方漫才大賞』新人賞ノミネートは、予選を戦ってその枠を勝ち取るわけではないので、選ばれるのはすごく難しいことというか。

大ちゃん:正直、早っ!って思いました(笑)。僕ら、昨年から12カ月連続単独ライブをやってきたんですけど、作家さんとこれを続けていくなかで上漫の新人賞とか入れたらいいねって話していたんです。で、もう選ばれるんや!って。でもこの単独ライブが大きかったと思います。この3月からも続行してシーズン2に突入したんですけど、いろんな好影響があるんです。

しんじょう:僕も決め手の一つになったのは、12カ月連続単独ライブだと感じています。あとはやっぱり『ytv漫才新人賞』決勝へ進出できたことも大きいですね。

大ちゃん:ただ、しんじょうは、あまり思い出したくないんちゃう? ネタ終わって、審査員のリンゴさんに「練習しすぎな気がする」って指摘されたので、僕はボケでしんじょうに「だから練習を2回減らそうって言ったんや!」って言ったら、まさかの「あ、そやな。ごめん…」って。その前にめちゃくちゃ食らってもうたことがあったからね。

しんじょう:審査員の粗品さんに77点を付けられてから、話が何も入ってけえへんようになって(笑)。っていうのも僕、粗品さんのことがむちゃくちゃ大好きなんです。YouTubeも全部見ていて。だから粗品さんが『ytv』で審査員をやると聞いたとき、「粗品さんにおもんないって言われたら終わりやな」と思っていたんですよ。そうしたら本番でほんまに言われてしまって。

大ちゃん:「漫才はうまい」と褒めてはいただいたんですけど、しんじょう的に絶対思い出したくないNGワードがあった…。

しんじょう:「肝心の漫才がおもしろくなかった」と言われて。一番「おもしろい」と言ってもらいたかった人やから、余計に食らってしまいました。しかもネタを作っているのも僕やし。だから「自分はこれまで、おもんないネタを一生懸命作っていたのか」ってなって。

大ちゃん:しんじょうが粗品さんのことが大好きなのを知っていたから、横で見ていてほんまにおもろかったです。でも、「あ、これでもっとしんじょうは強くなれる」とも思いましたね。しんじょうはそうやって強くなってきたんで。

しんじょう:粗品さんにいつか絶対「おもしろい」と言わせたい。また賞レースで、粗品さんにネタを審査して欲しいですね。僕のなかでは粗品さんに「おもしろい」と言わせたら、勝ちです。

■ 芸歴的にも下克上の人生だった(大ちゃん)──『ytv』決勝は結果が振いませんでしたが、しかし私は劇場でオーパスツーのネタの爆発力を目の当たりにしているので、「あんなものではない」と思っています。特に大ちゃんがすさまじい勢いで逆ギレするネタをいろんな人に知って欲しい。

大ちゃん:『ytv』の「みきお」も終盤に逆ギレが入っていきますし、たしかにそういうネタが多いかも。普段の生活では逆ギレとかはしないですけど、でもほんまに追い詰められたら近い感じになるんです。僕、「関係断ち切り癖」があって。話しているなかで「この人はもうあかん」と感じたら、「もうええ!世界を分けて生きていこうや」ってなって、論じ切る前に関係を切ります。僕らのネタは一応、そこにちゃんと論を入れているんですけど。

しんじょう:相方は基本的にはええやつ。でも良かれと思って言ったりやったりすることが、決定的にずれているときがあって(笑)。ネタでいうと、「みきお」の感じが普段に近いかも。ほかにもブチギレるネタがいくつかあって、どれも爆発力は確かにあるんですけど、相方が初手でマックスを叩き出すんで、爆発力を最後までキープさせるのが難しい。賞レースは特に展開が求められるから、後半にもっと必殺技を作らないといけないと思っています。あと、こいつがほんまはええやつという人間性を知ってもらえたら、あのブチギレがよりおもしろく感じられるはず。

──3月から12カ月連続単独ライブのシーズン2が始まりました。タイトルも引き続き『松竹若手漫才師と言えば、わてらや!』ですね。一方、2024年春には、松竹若手実力派だった風穴あけるズ、骨付きバナナ(2025年3月解散)が東京へ行きましたよね。松竹の若手で刺激を受ける相手が不在であることに、物足りなさは感じませんか。

大ちゃん:それは正直な気持ちとして、かなり感じています。先輩のみなさんも、賞レースで戦っている方は多くないので。そうなると自分らでなんとかしていかなあかん。だから吉本さんに協力していただいてライブを一緒にやらせてもらったり、あと「楽屋A」(大阪市西区)のバトルライブなどにも出させてもらったり。「楽屋A」にはフリーやけど強い芸人も多い。めっちゃええ場所です。

しんじょう:「楽屋A」で半年に1回やっているバトルライブは、「今回は勝たれへんかも」といつもヒリつきます。僕らはTOP2ですけど、TOP1のボニーボニーさんはほんまに強いですね。

大ちゃん:あとTOP3の涼風も相当おもろい。大阪のお笑いは勢力図的には吉本さんが強いですが、シーンを盛り上げる意味では「俺らがその牙城を崩すんや」という気持ちでやっています。ボニーボニー、涼風、あとジェームズとか、この辺りが『M-1』の準決勝にずらっと揃うような世界線をまずは目指したいです。

しんじょう:僕らの姿を見て、松竹の後輩芸人たちも火が付いてきているみたいです。あと、前までは吉本さんの芸人には賞レースでも「どうせ勝たれへんやろな」っていう気持ちが心のどこかにあったんですけど、今は「いつでも倒してやるぞ」みたいな心持ちでいれるようになりましたね。もちろん勝ちたいですし。

大ちゃん:「どうせ勝たれへんやろなぁ」から「勝てるかなぁ?」にはなってきた気がします。弱いファイティングポーズみたいな(笑)。僕らはヒールになってもいいんで、大阪のお笑いをとにかくかき回したい。芸歴的にも僕ら、下克上の人生だったんで。

しんじょう:もし『上方漫才大賞』新人賞を僕らが獲るようなことがあれば、情勢も分かりやすく変化するはず。下克上、します!

12カ月連続単独ライブ『松竹若手漫才師と言えば、わてらや!』、次回は4月20日・19時、「DAIHATSU 心斎橋角座」にて開催、チケットは当日1500円。2人が出場する『第60回上方漫才大賞』は4月12日・15時より放送される。

(Lmaga.jp)

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