悪夢、悲痛、怖れていた日…大谷翔平を逃した球団の地元紙が落胆ぶりを一斉報道 緊急調査「7億ドルの価値ある?」実施も

 大谷翔平選手がドジャースと10年7億ドル(約1015億円)で合意したことが発表された9日(日本時間10日)、ドジャースとともに移籍先候補に挙がっていたブルージェイズの地元紙、トロント・サン電子版は「ショウヘイ・オオタニを逃したことでブルージェイズは厳しい挑戦を強いられる」との見出しで大谷に代わる打者の補強の難しさを伝えた。

 ブルージェイズは、前日に大谷がチャーター機でトロントに向かったとの誤情報が出回るなど、結果的にぬか喜びとなった球団。3日前の紙面では一面を使って日本語で「翔平 トロントに来て!」と熱烈なラブコールを送った同紙は「大谷を逃すことはアトキンスGMをはじめ、フロント陣のほかのメンバー、オーナーのロジャーズ・コミュニケーションズにとって悲痛なものであったはずだ」と落胆ぶりを伝え、大谷側に提示した条件を「5億ドル(約725億円)を大きく上回る金額を提示したと考えられている」とした。

 大谷の発表直前には複数の米記者がブルージェイズ移籍を予想。同紙も「厳しい戦いだと理解しながらもカナダの球団がオファーを出し、大谷陣営も関心を示したということで静かな確信はあった」と記した。また、サイト上で「大谷に10年7億ドルの価値はあるか?」との読者アンケートを実施し、88・57%が「NO」、11・43%が「YES」と回答した。

 エンゼルスの地元紙、オレンジカウンティ・レジスター電子版は「エンゼルスファンが長年恐れてきた日がついに来てしまった」と大谷の移籍は想定内の論調。今季本塁打王&MVPの主砲との再契約が消滅したことによる攻撃力の低下だけでなく、「彼はチームの人気選手であり、彼のプレーを見るために千人単位のファンがやってくる。日本企業とのスポンサー契約やグッズ販売で数億円の収入を得てきた」と、経済的損失の大きさを伝えた。

 また、大谷退団により、ぜいたく税まで7000万ドル(約101億5000万円)の“補強費”があること、けがが多いレンドンやトラウトを空いたDHで起用できるプラス面を挙げた。

 ドジャース、ブルージェイズとともに大谷と面談したと報じられたジャイアンツの地元紙、サンフランシスコ・クロニクル電子版は「ジャイアンツの悪夢が現実に」とのタイトルで「日本のメガスター獲得の最終候補に挙げられていただけにこのニュースはジャイアンツファンにとって衝撃的だ」と、同じナ・リーグ西地区のライバルへの移籍を伝えた。昨オフはジャッジ(ヤンキース)と一時は合意を報じられた後に交渉が決裂したとあって「ファンにとってはデジャブのように感じられる」と、2年連続の大物獲得失敗を嘆いた。

 移籍先と予想されながら大谷との面談が実現しなかったカブスの地元紙、シカゴ・トリビューン電子版は「カブスがリグレーフィールドでショウタイムを開くことはない」との書き出しで大谷のドジャース移籍を報道。同選手が17年オフに日本ハムからエンゼルスへ移籍した際にも最終候補7球団の一つに入っていたとあって「2度目も獲得には至らなかった」とつづった。

 メジャー移籍後の大谷の二刀流の活躍を「打席とマウンドの両方で功績を残し、健康であれば投打でメジャー屈指のエリート選手でもある彼に匹敵する者はいない」と表現。「彼は世界で最も市場価値のあるアスリートの一人であり、チケットの売り上げやテレビの視聴率、スポンサー収入を確実に押し上げている」と経済効果の大きさを説明した。

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