大谷がドジャース入り 日本選手知り尽くした名門で世界一へ 11年間で10度地区V、Wシリーズ7度制覇
エンゼルスからFAになっていた大谷翔平投手(29)が10年総額7億ドル(約1015億円)の契約でドジャースに移籍することが9日(日本時間10日)、決まった。これまでワールドシリーズを7度制覇し、日本選手も多く在籍した名門。花巻東高時代から大谷にラブコールを送り続けたことでも知られている。赤のユニホームと決別し、青のユニホームに袖を通す大谷。新天地で心機一転、新たな高みを目指す。
投打「二刀流」の構築に最大の理解を示してくれた愛着の強いエンゼルスのほか、複数球団が大争奪戦を展開したが、大谷が選んだのはこれまでワールドシリーズを7度制覇し、この11年間もナショナル・リーグ西地区で10度の優勝を誇る強豪ドジャースだった。
勝利を人一倍渇望していた大谷にはうってつけのチームといえる。今季はナ・リーグ西地区で100勝(62敗)を挙げて優勝した。打線を引っ張ったのは今季メジャー屈指の1、2番コンビを形成したベッツとフリーマン。ベッツは12年3億6500万ドル(約529億円)、フリーマンは6年1億6200万ドル(約235億円)の超大型契約を結んでおり、そこに指名打者として本塁打王&MVPの大谷が加わる。今季、指名打者だったマルティネスは33本塁打、103打点の成績を残したが、契約延長オファーは出さなかったのも、大谷獲得を見越してのことだった。
一方で、通算210勝のカーショー、21年最多勝のウリアスがFAになるなど投手陣には不安を抱えている。現地では大谷に続き、オリックスからポスティングでのメジャー移籍を目指す山本の獲得にも乗り出すとの報道もされている。
ドジャースは花巻東高時代から大谷を熱心にマークしてきた経緯がある。大谷も高校卒業後は米球界を入りを熱望。ドジャースが有力候補の一つだったと言われているが、ドラフト1位で指名された日本ハムに説得されて日本球界入り。17年オフのメジャー挑戦時もドジャースは争奪戦に参戦し、最終面談ではカーショーらスター選手を送り込んだ。
日本選手の受け入れ態勢も万全だ。ドジャースと日本との関係は強く、過去には本格的に日本選手の米球界への道を切り開いたパイオニアの野茂英雄をはじめ、石井一久、黒田博樹、前田健太といった投手陣のほか、野手も中村紀洋、筒香嘉智がプレーしており、日本選手を知り尽くした球団と言っていい。
◆ロサンゼルス・ドジャース 1890年にニューヨークのブルックリンを本拠地としてナ・リーグに参入。1947年に黒人選手として初めてジャッキー・ロビンソンがメジャーでプレーした。55年にワールドシリーズを初制覇し、58年にロサンゼルスに移転。2020年は32年ぶりにWSを制した。本拠地は1962年からドジャースタジアム。今季の本拠地の平均観客数が全30球団でトップの4万7000人超を記録したメジャー屈指の人気球団でもある。





