【野球】広島・佐々木健「今年が最後という気持ち」直球磨いて育成からはい上がる

 広島の育成3年目、佐々木健投手(21)が勝負の1年を迎えている。

 春季キャンプは投手コーチから指摘された「踏み出した足が外に開く癖」の修正に努め、安定感のある自然体の投球フォームを追求した。「投球中にいろいろと考えてしまって悪くなったところがあった。膝を真っすぐきれいに立てて、シンプルに投げることを意識しています」と、無心でしっかり腕を振ることを心掛けている。

 189センチの恵まれた長身から投げ下ろす角度のあるスライダーを武器としている。しかし、実戦練習などで打ち込まれた経験から「スライダーだけだと狙われる」と痛感した。変化球をより生かすために現在は直球の制球アップと球威向上に取り組んでいる。

 「直球を高いところから投げられたら打者も嫌がる。まずは直球を同じ球質で安定して投げられるようにしたい。そこから球速も上げていければ」と、自身最速143キロ超えを目指していく。

 仲間の存在が刺激となっている。同期で同じ育成の藤井黎来(れいら)は3月25日のヤクルトとの練習試合(マツダ)で1軍マウンドに上がった。1回を無失点に抑え、アピールに成功した。「1年目から一緒にいる仲間。負けたくないし、黎来がそこまでいったことで自分も可能性は感じている」と佐々木も対抗心を燃やす。

 現在は自らトレーナーに志願し、体幹トレーニングを行っている。「体のブレがなくなるように。何をするのにも大事なので」と安定感向上に余念がない。練習がないときは大野合宿所の自室でゲームに熱中。同僚の田中法彦とともにモンスターハンター(ハンティングアクションゲーム)を楽しむなどして疲れを癒やしている。

 プロ2年間で2軍登板は1年目の1試合のみ。昨季は守備練習中に足首を負傷するなどして登板なしに終わり、悔しさの残るシーズンだった。崖っぷちに立たされた右腕は目標の支配下登録に向けて並々ならぬ覚悟で今季を迎える。「3年目ですし、今年が最後という気持ち。少ないチャンスを無駄にしないようにしたい。試合で結果を出して支配下をつかみたい」と猛アピールを続けていく。(デイリースポーツ・赤尾慶太)

 ◆佐々木健(ささき・けん)1999年4月2日生まれ。静岡県出身。右投げ右打ち。投手。189センチ。82キロ。背番号122。今季の年俸330万円(推定)。小笠高では3年夏の静岡大会で3回戦敗退も、初戦の浜松城北工戦で15奪三振を記録。17年のドラフトで育成3位で広島に入団。50メートル5秒9の俊足も持ち味。

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