【スポーツ】ポスト上野へ“次世代のエース候補”が躍動 ソフトボール日本リーグ5カ月遅れ開幕

初の開幕投手で4安打完封の坂本=日本ソフトボール協会提供=
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 女子ソフトボールの日本リーグ1部が、約5カ月遅れで開幕した。後半開幕節は9月5日、6日の2日間で行われ、両日ともに若手投手の台頭が目立った。

 5日には、昨季リーグ2位のHonda戦に先発した日立の20歳、2年目右腕・坂本実桜が7回4安打無失点で、初戦を白星で飾った。

 高校時代は全国屈指の強豪校・創志学園(岡山)で、春の全国選抜大会2連覇、2年時に高校総体優勝を経験。19年のU-19W杯では開幕投手を務め、銀メダル獲得に一役買った。

 昨季、チームは9位に終わり決勝トーナメントには進めず、最後の公式戦は10月下旬。約11カ月ぶりの公式戦に「マウンドでの立ち姿や、野手に不安な姿を見せないなど、いろいろ考えて臨んだ」と開幕戦への思いを明かす。

 実戦から遠ざかっていたブランクもある中、2年目で迎えた初の開幕投手。5回まで両者一歩も譲らず、0-0で迎えた六回、1番からの好打順に2四球と安打で無死満塁と、この試合最大のピンチを迎えた。それでも坂本は冷静だった。「緊張はしていたが、楽しむことが1番なので、信じて1球1球投げ抜いた」。続く4、5、6番を3者連続三振に仕留める、圧巻の投球を見せた。

 118球で完封の力投に坂本は「(昨季よりも)立ち姿や試合の作り方が成長した」と手応えを感じている。「今後はいろんなところを強化していかないと通用しない。課題にあがっていることをつぶしていきたい」と若き右腕はレベルアップを図り続ける。

 6日には、トヨタ自動車対ビックカメラ高崎戦でトヨタ自動車の期待の逸材左腕・後藤希友(みう・19)が、日本代表のエース、ビックカメラ高崎・上野由岐子(38)との投げ合いで、昨季1位の強力打線を相手に3回1安打1失点と大器の片りんを見せつけた。アメリカ代表でも活躍するエースのモニカ・アボットが不在の中で任された開幕投手で、先発としての役割をきっちりと果たした。

 また、この試合では17年に高校3年で日本代表に初選出され、18年世界選手権にも出場したビックカメラ高崎の勝股美咲(21)が六回1死一塁から登板。1回2/3を3安打3失点と精彩を欠いたが、昨季新人賞を獲得した右腕への期待は大きい。

 来夏には08年の北京五輪以来、13年ぶりの五輪の大舞台が待っている。日本の絶対的エース・上野に続く“次世代のエース候補”となる若手投手の活躍は、東京五輪で金メダル獲得を目指す日本ソフトボール界にとって明るい兆しとなるだろう。(デイリースポーツ・森本夏未)

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