【野球】背番号3ケタの男たち、生き残りかけて…巨人育成選手の厳しい戦い

 「まだまだ育成選手なので、支配下目指してこれからも必死にアピールするので、応援よろしくお願いします」-。

 13日のイースタン・巨人-西武戦で2本塁打を含む3安打でヒーローインタビューに呼ばれた育成・八百板の言葉だ。物腰は柔らかいが、力強い決意。ジャイアンツ球場につめかけた熱心なG党からは大きな拍手が注がれた。

 しかしそれから4日後の17日、巨人は同じく育成のエスタミー・ウレーニャと支配下選手契約を締結したと発表。これで巨人の支配下選手は上限の70人となり、実質的に今季の育成選手が支配下契約を勝ち取ることはできなかった。

 さらに育成選手にはフロントの声も重くのしかかる。21日に入団テストを視察した大塚球団副代表は今オフには新陳代謝を図る方針を示している。支配下の13~14人が戦力外もしくは育成契約に移行するとみられ、この余波は育成選手にも押し寄せる。

 そんな厳しい環境にある背番号三桁の男たち。その大半が属しているのが3軍だ。19日にはジャイアンツ球場でシート打撃が行われ、おのおのが持ち味を出そうと懸命にアピールを重ねた。3軍は育成が主目的。9月は1軍が27試合をこなすのに対して、3軍は10試合といった具合に対外試合が少ない。貴重な実戦の場で燃えないわけがなかった。

 特に、投手では平井が力強い直球で打者を押し込み、野手では平間、加藤壮が高木からヒット性の打球を放つなどしてアピールした。元気印の笠井、高山は声でも存在感を示し続けている。捕手の広畑は午後からの練習で歯を食いしばりながらスローイングのトップ作りに明け暮れ、右肩痛からの再起を期す谷岡も黙々とネットスローで調整。虎の穴は活気に満ちていた。

 シーズンはいよいよ佳境に入る。2、3軍の育成選手たちには重要な戦いが待ち受ける。支配下、育成含め、ほかのセの球団よりもはるかに厳しい生き残り競争を行っていることが、巨人の強さの源だ。チャンスは多くないかもしれない。それでも物わかり良く引き下がってほしくはない。最後までもがき、あがいて結果をつかみ取ってほしい。(デイリースポーツ・畠山賢大)

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