【野球】3年連続リーグワースト失策数の虎 守備力アップの秋 

 阪神が甲子園での秋季練習で守備力強化に取り組んでいる。今季はリーグワースト85失策。主に午前中は各ポジションでノックを受け、午後から少人数で再び白球を追う。もちろん打撃、走塁練習も行うが、グラウンドでは守備練習が中心だ。

 練習メニューからコーチの工夫が見える。21日は送球を重点的に鍛えた。選手が複数のグループに分かれ、マウンドと各ベースの5カ所でボール回しや、約10メートルで高速キャッチボール。発案者の藤本内野守備走塁コーチは「捕るだけじゃなくて、送球のミスも多い。動きの中でどう投げられるか」と導入の意図を説明する。

 23日は延長十回を想定した「30回連続アウトノック」で緊張感を高めた。一塁でアウトにするまでのタイムを右打者4秒~4秒2、左打者3秒8~4秒と設定。ゴロや飛球処理だけでなく、併殺や中継プレーも取り入れて実戦を意識。筒井外野守備走塁兼分析担当コーチは「もっともっとプレッシャーを与えたい。より確実に、アウトの内容を上げる」と狙いを明かした。

 今季を振り返ると、木浪が昨季15失策から8失策、大山も20失策から6失策と個々のレベルアップは見えた。ただチーム失策数は3年連続リーグワースト(18年89失策、19年102失策)。チーム全体として課題は克服できずV逸要因の1つとなったことは確かだ。筒井コーチは「守備力の強化は必須課題。それを僕らは真摯に受け止めている」と話す。

 今年は29日までみやざきフェニックス・リーグがあるため、秋季練習のメンバーは少数精鋭。午後の練習は選手2、3人に対して、コーチ1、2人が付くこともある。内野手は基本の反復に加えて球際の強さを磨き、外野手はイレギュラーに対するハンドリングや後方打球への背走など、地道に鍛錬を積んでいる。藤本コーチは「意識を持ってやってくれて当たり前のレベルが上がってきている」と手応えを語る。来春キャンプを経て、真価はシーズンで問われる。秋季練習は27日から最終クールに入る。

(デイリースポーツ・杉原史恭)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス