【野球】阪神・ドラ1佐藤輝 “プロ初本塁打”の裏にドラマ 祖父母へ最高のプレゼント

5回、2ランを放った佐藤輝はベンチ前でナインに迎えられ声を上げる(撮影・田中太一)
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 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=が、9日の日本ハム戦(宜野座)で“プロ初アーチ”をマークした。サイドハンド右腕・鈴木健の125キロスライダーを捉え、打球は右翼ポール際に着弾。プロとしての大きな一歩を踏み出した1日ともなった。

 沖縄県から遠く離れた宮城県に佐藤輝の父方の祖父母が暮らしている。2人は、阪神の主催試合等を視聴できる「虎テレ」というサービスを通じて、愛する孫のメモリアルアーチを見届けたそうだ。

 実はこの本塁打、ただの「1号」ではない。ある隠された“ドラマ”があった。

 今月7日に祖母の美智恵さんが82歳の誕生日を迎え、祖父の勲さんも同10日に82歳の誕生日を迎える。

 佐藤輝の父・博信さん(53)は「(7日の紅白戦に)母が誕生日で『今日、打って良かったね』と言っていたんですが、正真正銘のプレゼントになりましたね!父にも前祝いでのプレゼントになりましたね」と声を弾ませていた。後祝いに前祝い…。公式記録には残らないが、家族の胸にしっかりと刻まれた本塁打となった。

 美智恵さんは感極まって、博信さんとの電話で涙を流していたという。「おふくろがもう、泣いていました。母は感情が豊かな人で…」。最愛の孫が画面越しから見せた勇姿、最高のプレゼントになったに違いない。

 「(家族も)喜んでくれていると思う。結果が出たので、良かったと思います」と佐藤輝は安どの表情を浮かべていた。涙を流して喜んでくれた祖母、幼い頃、野球への道に導いてくれた祖父へ-。これからも恩返しのアーチを量産し、かけがえのない思い出を書き足していく。(デイリースポーツ・関谷文哉)

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