【スポーツ】今夏も届いた野人・岡野から1通のメール 独自プロジェクトでチーム強化

J3鳥取の岡野雅行ゼネラルマネジャー
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 独自プロジェクトでチームを強化するのが野人流だ。サッカーのJ3ガイナーレ鳥取の代表取締役GMを務める野人こと岡野雅行(49)から、先日「2021夏 野人プロジェクト」の案内メールが届いた。

 「野人プロジェクト」とは、ガイナーレ鳥取が新戦力獲得のための資金を集める寄付プロジェクトのことである。15回目となる今回は、タイアップしている山陰海岸ジオパークが育てたジオグルメなど厳選した9種類を、8月2日から9月30日まで「ガイナーレ鳥取オフィシャルサイト」などで販売している。

 「野人プロジェクト」の存在を知ったのは、確か岡野が2013年に鳥取で現役を引退。GMに就任し、同プロジェクトを立ち上げて1、2年後だったと思う。ガイナーレ鳥取から「岡野がプロジェクトの説明をしたいので、一度、会社に伺いたい」との連絡があり、対面することになった。

 私はサッカー担当記者として、1998年のFIFAサッカーW杯フランス大会で日本代表を取材した経験がある。97年11月16日、岡野がゴールを決めて、W杯出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」の当日も現場にいた。

 岡野が再三、決定的な場面でシュートを外し、ベンチにいた岡田武史監督(65)らが頭を抱え、何度も崩れ落ちる姿が目に焼き付いている。私も記者席でゴールが決まったと思い、記者席で何度立ち上がったか分からない。

 その後、一躍時の人となった岡野を取材するため、何度も所属するJ1浦和の練習場に足を運んでいたからである。取材とは関係がない共通の友人もおり、渋谷などの繁華街で遭遇したことも一度や二度ではなかった。

 ただ、岡野に真面目な話を聞いた記憶があまりない。実はノラ犬と競争して振り切って勝った話、やんちゃだった高校時代のエピソードなどしか頭に残っていない。

 日本代表の合宿中も、岡野からは「俺の仕事は、その日、選手のリラックスルームで出すお菓子の種類を決めること。お菓子係です」といった類いの話しか聞かなかったと思う。

 そんな岡野と久々の対面だけに、どんな話になるか楽しみにしていた。最初に顔を合わせたのも会議室ではなくなんと社内のトイレ。岡野の「なんでこんな所にいるの?」という間の抜けたあいさつに、時間が一気に戻った気がした。

 だが、場所を移してからの岡野はさすがGMだった。昔話はしたものの、プロジェクトの説明は別人というほどしっかりしたものだった。「地元の人の協力でカニなどを提供してもらい、その売り上げで新外国人獲得の費用にする」と熱く語った姿を強烈に覚えている。

 以前、このプロジェクトで、境港のカニを買ったことがある。今回、メールに書かれた「日本で一番小さい県である鳥取県にサッカークラブがある誇りをもって、今後もプロジェクトを通じて、鳥取県の魅力を広めていきたいと思います」という言葉を読み、久々に協力しようかと思った。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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