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【野球】梶谷、井納を獲得していなかったら巨人はすでにV争いから脱落?

 もし、巨人がフリーエージェント(FA)で、DeNAから梶谷隆幸(33)、井納翔一(35)を獲得していなかったら、すでに優勝争いから脱落していたかもしれない。これは伝統ともいえる巨人流の補強戦略が、一定の成果を上げているからだと思う。

 16日、巨人は劇的なサヨナラ勝ちで、対DeNA戦の連敗を「6」でストップさせた。首位・阪神とは2・5ゲーム差、2位・ヤクルトとはゲーム差なしに踏みとどまり、17日からのヤクルトと2連戦、19日の阪神戦が楽しみになってきた。

 巨人はここまで5位・DeNA相手に、9勝6敗5分の貯金「3」。2020年シーズンの対戦成績が12勝12敗だったことを思えば、数字は改善されている。この貯金「3」の要因のひとつになっているのが、FAでDeNAから梶谷、井納の2人を引き抜いたことである。

 梶谷は7月10日、甲子園での阪神戦で初回に死球を受け「右第3中手骨骨幹部骨折」と診断された。そこまで、61試合に出場して打率・282、4本塁打、23打点、11盗塁と一定の成績を残していただけに、チームにとっては痛いリタイアかもしれない。井納は今季わずか5試合登板したのみ。0勝1敗、防御率14・40の惨状でファーム暮らしが続いている。

 熾烈(しれつ)な優勝争いを演じている現状では両選手ともに、チームの戦力になっていない。だが、もし、この2人がDeNAに残留していたら巨人はどうなっていただろうか。

 以前、94年オフにFA権を行使して、広島から巨人入りした川口和久にこんな話を聞いた聞いたことがある。入団が決まり、川口は当時の長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)から「今季、巨人戦で何勝しているの?」と質問された。川口が「4勝です」と返答すると、長嶋監督は「じゃ、来年はウチが4勝得をするんだね」と話したという。

 活躍は大前提だが、この他球団の戦力をそぐというのも、巨人の補強の考え方にひとつである。梶谷対巨人の20年度成績は打率・296、6本塁打、14打点。井納は1勝3敗ながら20年9月18日の試合では6回5奪三振無失点と好投した。井納は19年に対巨人2勝1敗、18年に至っては3勝0敗2ホールドの好成績を残している。1勝、2勝の差で優勝を逃す可能性のあるペナントレースでは、この2人の存在が障害になる危険をはらんでいる。また、両選手が巨人以外のセ・リーグ球団に移籍しても、決して楽観できない状況が生まれるだろう。

 今季、阪神の対DeNAの貯金は「2」だが、ヤクルトは11勝4敗2分、貯金「7」と大きく勝ち越している。もし、巨人が昨季のようにDeNAに苦戦していれば優勝争いから大きく後退、V逸は決定的だったかもしれない。そう考えると、両選手の補強は、巨人にとって100パーセント無駄だったとはいえない。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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