【野球】阪神・俊介 チーム最年少・高寺とのキャッチボールに見えた心遣い

 今春の阪神安芸キャンプ。安芸で最年長野手だった俊介のキャッチボール相手は、高卒新人でチーム最年少のドラフト7位・高寺(上田西)だった。「たまたま、余っていたので」と俊介は話したが、高寺を気遣ってのことだと誰もがわかった。

 高寺は「結構、緊張しました」と初日からガチガチ。なかなか、声も出せていなかった。そんな中、俊介がキャッチボール相手を買って出てくれたことに、ホッとしたはずだ。

 次第に打ち解け、声も出るようになった高寺。俊介も父親のような表情で、その姿を見ていた。「あの子(高寺)がどう思ってるかはわからないですけど、僕も新鮮な気持ちになります。やっぱり若いので元気もありますし、それに負けないように頑張ってやってます」。俊介も高寺から刺激を受けていた。

 キャンプ中に行われたバント練習。ノルマをクリアするまで、昼食に行けなかった。熊谷や遠藤、高寺ら若手は居残りでも決められず。そんな中、俊介だけは一発で成功させ、早々とグラウンドを後にした。

 「緊張する場面でバントってやるものだと思うので。(1軍では)代打バントも多かったですけど、そう簡単には投手もやらせてくれない。緊張しますし、できたら達成感もある」。俊介は自分の経験を話し、ナインには背中で語った。

 平田2軍監督は16日の2軍戦終了後、「一番、早く(球場に)来るのは俊介やねん。若い子たちは見習わないとあかん」と、プロ12年目でも抜かりない準備をしていた姿をたたえた。

 春季キャンプでは「打たないと1軍に上がれない」と俊介はバットを振った。ウエスタンで少ないチャンスにも関わらず、打率は・257。スイングに衰えは感じなかった。

 「僕は野手の中でこっち(安芸)にいるメンバーで、一番上なので、暗くなってもダメ。若い子が多いので、そういうところで助けてあげられたら」

 キャンプ中、常に明るい表情で練習に取り組んだ。2軍指揮官がキャンプで与えた副キャプテンの役職。飾りだけではなかった。引退会見でチームへの思いを聞かれると、声を詰まらせて、リーグ優勝、日本一を願った。背番号68の背中を見て、多くのことを吸収した後輩たちが悲願のVに突き進んでいく。(デイリースポーツ・今西大翔)

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