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【競馬】2歳戦から存在感を発揮している杉山佳明調教師に注目

 秋競馬に入り、さらに熱を帯びてきた2歳戦。来年のクラシックに向けて大物が始動したり、6月にデビュー戦を勝ち上がった良血馬が、復帰戦に向けて帰厩したりと話題に事欠かない。適性など未知の部分も多いため、馬券的にもオイシイ配当にありつきやすく、この時期の2歳戦は個人的に力が入るところでもある。

 ここまで2歳戦を見てきて今、最も『キテいる』と思う人物がいる。杉山佳明調教師(37)=栗東=だ。今年3月に開業したばりだが、20日までに栗東の厩舎で2歳馬JRA勝ち上がり頭数トップタイ(5頭)と好成績を残している。2歳戦の回収率は単勝、複勝ともに100%を大きく超えており、人気薄をバンバン走らせていることが分かる。ちなみに、他に5頭を勝ち上がらせているのは藤原英厩舎、安田隆厩舎など、トップステーブルの名がズラリ。そこに、開業間もない若手調教師が肩を並べているというわけだ。

 2歳馬で新人調教師が結果を出す-。それには大きな意義があると個人的には思っている。ある程度完成された状態で開業時に引き継がれる古馬に対し、2歳馬はゼロからの馬づくりになる。厩舎力が試されると言っても過言ではないが、杉山佳師は「うちは引き継ぎの馬が少なかったので、2歳が勝負だと思っていました。『自分の世代』から頑張れるのはいいですね」と狙い通りの活躍に目を細める。

 「預かる前から『この馬はこの距離』だとか思い描きながらやってきました。こういう馬はこうしようとか、馬具や馬装を工夫したり、左回り、右回りを考えたり、普段の調教から感じるところや預けたもらった時のインスピレーションを大事にしています」。適性を的確に見極め、馬にとってベストな条件を選んできたことが好走につながっている様子。実際、18日中京4Rの新馬戦(ダート1800メートル)で9番人気ながら2着と穴をあけたナオミニデレデレヤ(牝)も、デビュー前から「エスケンデレヤ産駒なので、(オーナーに)買ってもらってからダート一本で行こうと思っていた」と話しており、現実的な番組選びも結果に結びついているようだ。

 勝ち上がり頭数も目立つが、出走数の多さも杉山佳厩舎の特徴のひとつだ。これは開業前、美浦トレセンの加藤征弘調教師のもとで研修を積み、大きな影響を受けたからだという。「加藤先生からは馬房のサイクルを早く回すということを教わりました」と振り返る。

 18年フェブラリーSを制したノンコノユメを育て上げたG1トレーナーから得たノウハウは大きかった。開業後は近郊の育成牧場と連携し、オーナーサイドとも密にコミュニケーションを取り、使いたいと思ったレースに使うという厩舎運営をかなえている。「そのおかげで(数を使っても)ストレスをかけることなくレースを使えています。競馬に対してストレスを残さないようにというのを意識して、馬にとって楽しくない調教はしない。目立った時計も出す厩舎ではないので、そういう面でも人気にならないんでしょうね」。馬本位の調教が穴馬券演出にひと役買っていると、指揮官は分析していた。

 開業から半年。「なかなか勝てない時に焦りがなかったと言うとうそになりますが、半年たって思い通りになってきました」と早くも軌道に乗ってきた感のある杉山佳厩舎。「加藤先生に『勝ちに焦らず、条件を見極めて、慌てないように』と言われていますので、厩舎の形をつくるのが目標ですが、それで重賞を勝てれば」。着実に階段を上っている若手トレーナーに、これからも注目していきたい。(デイリースポーツ・山本裕貴)

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