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【スポーツ】日本代表・田中碧のA代表初ゴールに中田英寿の衝撃デビューがよみがえる

 MF田中碧(23)=デュッセルドルフ=のA代表初ゴールに、中田英寿の衝撃デビューがよみがえってきた。

 サッカーのカタールワールドカップ(W杯)出場を目指す日本は12日、埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦。前半8分に予選初先発の田中碧が決めた先制弾などで2-1と競り勝ち、アジア最終予選2勝目を挙げた。だが、W杯7大会連続出場に向けて、依然として厳しい状況なのは間違いない。

 だが、田中碧の初ゴールが、日本に大きな変化をもたらすエポック・メーキング、ターニングポイントになる可能性は十分にある。なぜなら、同じような光景を1997年5月21日、国立競技場で行われた日韓親善試合で目撃したからである。この日は日本サッカーのレジェンドとなった中田英寿の衝撃の代表デビューだった。

 この宿命のライバル対決に初代表ながら先発出場した中田英寿はその試合を契機に、日本の司令塔に定着した。アジア最終予選で大活躍し、日本を初めてのW杯に導く原動力となった。当時、彼は代表最年少の20歳だったが、絶妙なスルーパスで再三チャンスを作ったシーンは目に焼き付いている。0-1で迎えた後半43分には、自らがPKを獲得。この絶好機をキング・カズこと三浦知良が決めてドローに持ち込んだ試合だった。

 田中碧は今年の東京五輪で全6試合にスタメン出場し、ベスト4入りの原動力となり、森保一監督の信頼を勝ち取った選手である。一方、プレーのスタイル、ポジションは違うものの中田英寿も96年のアトランタ五輪に出場。「マイアミの奇跡」と呼ばれたブラジル戦の勝利に貢献し、A代表へと駆け上がった。田中碧は今年、ドイツ2部のデュッセルドルフにレンタル移籍し、世界のサッカーを垣間みている。中田英寿はアトランタ五輪後にセリエA・ユベントスの下部チームに短期留学し、こちらも海外のサッカーを皮膚感覚で味わった。2人の姿はどこかダブってみえる。

 そういえば、中田英寿は取材でほとんど笑顔をみせなかった。デビュー戦となった日韓戦でさえも喜ばず、試合後は「まだまだミスが多い。FWのサポートもできなかった」と、真顔で自己採点しただけでだった。だが、本来は気難しい人間ではなかったと思う。当時、チームメイトの城彰二や岡野雅行らからは、人間味あふれるエピソードが漏れ聞こえてきた。真偽のほどは分からないが、大の野菜嫌いだとか、代表チーム内で親睦を図るため、他の選手と卓球をしている-などである。

 もちろん田中碧と中田英寿は違う。それでも、今回のA代表初ゴールで、田中碧が覚醒してくれれば、日本サッカーは新たな未来予想図が描けると思う。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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