【スポーツ】朝倉未来にKO勝ちで注目 「FIGHT CLUB」をプロデュースしたYA-MANが理想とする格闘大会とは
「RISE」オープンフィンガーグローブマッチ65キロ級初代王者のYA-MANがプロデュースした格闘技イベント「FIGHT CLUB」が19日に都内で開催された。人気格闘家の朝倉未来相手に倒すか倒されるか、大きな注目を浴びた中で、格闘界のトップを走ってきた朝倉に1回KO勝利した。リングで「俺の時代が来る!」と宣言した27歳の青年格闘家は、格闘技ファンを増やすためどんな理想を求めているのか。思い描く大会像とは。
今年8月、オープンフィンガーグローブルールで王座を手に入れ、さらに脚光を浴びることになったYA-MAN。山口裕人と1ラウンドからダウンの奪い合いとなった。2ラウンドも激しい打ち合いでYA-MANの怒濤(どとう)の攻めでレフェリーストップ。大技がさく裂し、会場が沸いた。そして朝倉戦もど派手なKO勝利。「グローブをオプンーフィンガーに変えて一気に成り上がれた」と振り返っていたYA-MAN。高校時代は野球部に属していた時期もあったファイターは野球になぞらえ、観衆が喜ぶ理想の試合をこう語っていた。
「野球に例えると、全員がセーフティーバントの職人みたいな打撃だったらつまらないじゃないですか。全員がホームランを狙ったら面白いと思うんですよ。もちろん野球は1番の役割、2番の役割がありますけど、ホームランか三振かとか。160キロを見るのがだいご味じゃないですか」と理想を語る。ところが現状の格闘界について疑問を投げかけていた。「今のプロの試合って、全員がバント職人になっているんですよね。勝ちにいって、ノーアウトランナー二塁で、必ずバントをするような」-。
「FIGHT CLUB」立ち上げ後の会見。これまでの発言でもスターはスケールの大きい試合をしなくてはいけないと自身に命題を課していると感じた。特に朝倉未来への発言だ。18日の計量では朝倉に容赦なく殴ってこいとアピールしていたと感じた。より迫力のある試合にするためにもと、主催者側への1分でKOしたら1000万円企画を提案したのだろう。
「1分でKOしたら1000万はどうですかね。そうすれば本気で倒しにくると思うから」。近況の朝倉に物足りなさを感じていたようなYA-MAN。試合を盛り上げるために、人気ファイターを奮い立たせようとこれまでの発言で、必死な姿勢がうかがえた。
「格闘技って、トップになればなるほど、そういう試合になっていっちゃうんですよね。お互い技術が高い同士だから。負けないようになっちゃうので」。勝利を追求した場合に、どうしても負けない展開にするのはトップファイターとして間違いではないかもしれない。しかし、YA-MANにとってその姿勢はファンを引きつけないと感じている。「1対1の九回、ここでどうしますか?。外野オーバーの打球を打てば盛り上がるじゃないですか」と例える。総合格闘技、プロレスと多くの団体がしのぎを削る今日。人気格闘家はあらゆる視点から分析して、生き残りへのスケールの大きさを求めているのは間違いない。