【野球】タイブレーク制導入ならプロ野球はどう変わる? NPBが導入の検討スタート

 日本野球機構(NPB)が、導入の検討をスタートさせた「タイブレーク制」。採用する目的を明確にし、メリットやデメリットを見極める方針だが、仮に導入となった場合、日本球界にどのような影響を及ぼすのか。個人記録の面や戦術、起用に関するポイントを整理した。

 延長戦で人為的に走者を置き、早期決着を図る特別ルールの「タイブレーク制」。米大リーグやWBC、日本でも社会人、高校野球などのアマ球界を含めて幅広く採用されており、NPBでも導入の検討がスタートした。

 仮に採用された場合、日本のプロ野球にどのような影響を与えるのだろうか。個人記録に関してはまだNPBで議論の対象になっていないが、球界関係者は「そういうことになると思います」とアマ球界なども導入している一般的なルールに準じる可能性を示した。

 大学、高校野球などのアマ球界では同点の延長十回無死一、二塁からスタートするのが基本。人為的に置いた走者の生還を許した場合、投手に自責点はつかない。ただ、救援陣に勝ち、負けがつくケースは間違いなく増える。

 常に延長回で得点圏に走者を背負った場面でマウンドに上がることを強いられる投手の負担は大きい。一方、延長十回で決着がつくようなケースも増えそうで、現行の延長十二回制よりもリリーフ陣の負担は減るだろう。

 打者は設定された走者も含めた打点が認められ、例えば延長十回無死一、二塁からチャンスが広がって満塁になった場面で本塁打を打てば4打点が記録される。

 人為的な走者の出塁は記録されないが、盗塁や得点などは記録される。設定された好機で打てば得点圏打率は上がるが、打てなければ“勝負弱さ”が際立ってくる可能性もある。

 また、例えば延長十回無死一、二塁から送りバントをするケースが増えることも見込まれる。その場合、ピンチバンターの存在がより重要になる、采配や用兵の面でも変化は起こるだろう。

 日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は「全体の時間短縮のためにやるのか、勝ち負けをはっきりさせるという意味でエキサイティングな展開をファンに提供できるという目的なのか。タイブレークをもし実施するとしたら、その目的は何なのか、ということを明確にしないといけない。それぞれメリットもあり、デメリットもある」と説明する。

 日本プロ野球界での導入は早くても26年シーズンからとなりそうだが、採用されれば終盤戦の戦いが変わってくる可能性が十分にある。(デイリースポーツ・伊藤玄門)

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