【サッカー】J1横浜M クラブとキューウェル監督の間に生まれた“ひずみ” 低迷要因はチームの一体感の欠如

 J1横浜Mがキューウェル監督の解任を発表した。ACLでは準優勝に導きながら、リーグ戦では優勝争いを演じた昨季から一転、現在12位と低迷。解任の経緯を説明した中山昭宏社長(57)の言葉から、キューウェル監督苦戦の原因とクラブの課題を考えた。

 「オズの魔法使い」と称されたスター選手は、マジックを起こせないまま日本を去ることになった。16年ぶりのリーグ戦4連敗という泥沼から、14日鹿島戦(日産)は4-1と快勝。直後の解任劇は、一つの勝利で改善できるほどひずみは小さくないことを物語る。

 中山社長は「実は(ACL決勝)手前のJリーグでも勝ち方としては良くないものがあった。少し心配していたのは、ACLが終わった頃」と早い段階で不安要素が見えていたと明かした。

 監督招へい時に大事にしたのは①アタッキングフットボールへの理解と継承②それを進化させること③結果として高みを目指す-の3点だが「クラブが期待していたところに(3項目とも)少しずつ届いていないという認識」と説明する。

 鹿島戦の快勝も「1試合で急に良くなる話ではない。今ある課題に対して、どこで手を打つかという判断でタイミングを決めた」と話す。その低迷の要因の一つは、チームの一体感の欠如だ。

 ポステコグルー監督1年目の2018年は、同じ試合数で比較すると今季より成績は劣っていた。違いは「その時はチーム全員が何をやるかの共通理解ができていたと聞いている。ハリーの場合は、そこが細かく落とし切れていないというか、彼だったら簡単にできる領域が、なかなか選手に伝わらないところも多少あったのかなと」とした。

 監督と選手間に生まれた溝について「そういうのが背景にある部分はどこにでもある」と直接の理由として否定したが、歯車が狂うとともにサポーターと一触即発となる指揮官の行動などが、周囲の信頼を損ねる結果となったことは否めない。名選手は名監督になれない-その一端を感じた。

 ただ、責任が監督だけにあるのかと言えば、当然そうではない。中山社長は「今のスカッド(選手全体)で完全に足りていないところはないという認識」とした。だが、質の部分で昨季を上回れる編成になったかと言えば疑問だ。補強が効果的なものでなければ求める“進化”は得られない。

 経営トップの中山社長が強化責任者を兼ねる体制も責任の所在を不透明にする。「課題認識はしている。手を打とうと決めている」と早急な組織改編が不可欠だろう。

 中山社長は今後の目標を「ACL(出場圏内の3位以内)は狙いたい」と見据えた。なればこそ監督の首をすげ替えることで終わらず、今回の痛みを力に変える名門の意地を見たいと思う。(デイリースポーツ・中田康博)

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