【野球】阪神・中野 岡田政権初のベンチスタートから見えたもの 明かした正直な思い

 7月17日の東京ドームでの巨人戦。阪神・中野拓夢内野手は2年ぶりのベンチスタートとなった。22年9月11日の中日戦(甲子園)から続いていた連続フルイニング出場も241試合でストップ。「これが自分の実力」。悔しさを押し殺して、ベンチからナインを鼓舞していた。

 思うような結果が出ない日々。あの試合の正直な思いを聞いた。「気持ち的には、だいぶ楽になりましたよ」。昨季はリーグで最も安打を打ったが、今季は前半戦の打率・239。「自分がこういう成績の状態で、ずっと出てるのも恥ずかしいというか。申し訳ない」と漏らすこともあった。

 結果が出ないことに言い訳はしない。そして、ベンチから見えた景色もあった。「後から出る方が緊張感というか、すごく大変だなというのは思いました」。あの日は小幡の負傷で緊急出場となった。代打や代走、守備固めと一瞬で仕事が求められる難しさ。昨年3月のWBCで経験したからこそ、理解もあった。それだけに、先発出場の重みを再認識した。

 「後から出る人もいる中で先に出るという、チームを背負って出るわけなので。チームのためにもっと頑張らなきゃいけないなと、改めて思いました」

 昨年はWBCでの激闘からシーズンを完走。今年も前半戦を終えても球宴出場と休みはなく、小さな体で戦い続けている。当然、疲れもある。夏本番。「小さい頃から大きいケガはなかったので」。大事な睡眠は「眠い時に寝ればいい」と寝具や時間にこだわりはない。一方で食事は「奥さんがバランスを考えながらやってくれている。気を使うようになりましたね」と結婚したことで意識が変わった。

 暑い時期には1試合で体重が2キロ減ることもある。「体重が落ちたら、パフォーマンスが少しずつ落ちてくる。頑張って減らさないようにしてますね」。昨季は8、9月の月間打率も2割後半と調子を維持した。今年はこのままで終わるわけにはいかない。多くの感情を得た一戦が何かのきっかけになったはずだ。(デイリースポーツ・今西大翔)

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