【野球】日本ハム・宮西がメンバー外帯同のCSで再確認したものとは? 海外FA権行使せず残留、41歳の来季へ

 日本ハム・宮西尚生投手(40)が海外FA権を行使せず、チームに残留することを7日に表明した。今季通算900試合登板を達成したレジェンドは、CSでは出場選手登録を外れて投手陣の精神的な支えとして帯同。そこで再確認したものがあった。

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 後輩たちと同じように練習で汗を流す。ただ、試合に出ることはない。激闘となったCS。百戦錬磨の経験を生かした助言を送り続け、宮西は投手陣を支えた。

 9年前の日本一を知るチームでは数少ない存在。新庄監督から求められた役割を果たす中で、感じたことがあった。「熱い戦いをしている中で、やっぱり自分が投げたいと思う気持ちがまだあった。悔しいというか、そんな感じにならへんかなと思ったけど『あ、まだ闘争心あるわ』って再確認できた」。ソフトバンクとのファイナルSの最終盤。自分でも意外そうに心境を明かしていた。

 出場選手登録を外れた時点で、一度は選手のスイッチを切ったはずだった。それがつながっていた。力投する後輩の姿に、心が燃えた。「裏方さんの感じで、何も感じひんのやろうなと思ってたら『あれ?うらやましい!投げてぇ!めっちゃいいやん、こんなところで投げられて!』って。やっぱりまだ闘争心の火が消えてないよな」と、改めて勝負師としての自分を実感していた。

 新たな発見もあった。CSファーストS第1戦では、指揮官に継投の起用を任された。投手陣の状態把握のため、目配りとコミュニケーションはより密に。選手の表情からも「意外と漏れてるんやな。自分も漏れてたんかな」と、感情、状態が透けてみえた。さらに首脳陣とのやり取りを重ねたことで「ボス(新庄監督)の継投とかリリーフに対する考え方がすごく理解できた」という。

 一旦、選手の立場を離れたからこそ増えた引き出し。「こういうことを期待しているとか、求めているとか。ここでこういうことをしてほしいとか。選手やったら、そういう話は絶対できない。リリーフはすっきりした状態でマウンドに上がりたい。そのすっきりできない状況を解消できる」。首脳陣の考えを仲間に伝えるだけでなく、今後の自身の登板時にも生かせるものだった。

 今季は31試合登板で、1勝1敗12ホールド、防御率3・20。チームには、まだまだ選手としての力を必要とされた。CSでの初めての経験が来季につながるように「そうなればエエかな」とほほ笑んでいたレジェンド。41歳の来季も、また新たな境地を見せてくれるに違いない。(デイリースポーツ・藤田 昌央)

 ◆宮西 尚生(みやにし・なおき)1985年6月2日生まれ、40歳。兵庫県出身。180センチ、81キロ。左投げ左打ち。投手。市尼崎から関学大を経て、2007年度大学生・社会人ドラフト3巡目で日本ハム入団。08年3月25日・西武戦でプロ初登板。16、18~19年に最優秀中継ぎ投手。通算424ホールドはNPB最多。17年WBC日本代表。

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