【野球】村上&岡本はメジャーで活躍できるか?鍵は速球への対応力 落合&江夏がメジャーに挑戦したら?【佐藤義則氏の見解】
日本球界からメジャー移籍を目指す選手の動向が注目されている。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏がポスティングシステムを使っての移籍が濃厚となっているヤクルト・村上宗隆、巨人・岡本和真、西武・今井達也について言及。また、自身の現役時代を振り返り、メジャーへの思いも語った。
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打者では岡本、村上という日本球界を代表するホームランバッターがメジャー移籍を目指しているわけだけど、この二人が向こうで成功するかどうかは、今の段階ではなんとも言えないね。成功のカギは、150キロ越えるスピードボールにどれだけついていくことができるか。向こうの投手はみんなでかいし、高めの速い球を打てないと厳しいんじゃないか。
ドジャースの大谷は別格として、今年頑張ったのはメジャー4年目を迎えたカブスの鈴木だった。打率は・245と物足りない数字だったけど、32本塁打、103打点をマークしたのは立派。日本でやっていた時と比べてスイングがコンパクトになったね。速い球に対応するためにスイング改良に取り組んだ結果だろう。今年は故障であまり活躍できなかったけど、レッドソックスの吉田もそう。後ろが小さく、前が大きいから速い球にも対応できる。
岡本や村上がメジャー活躍できるかどうかも、このあたりの対応力にかかかっていると思う。日本でやっている時と同じような打撃を続けているようだと慣れるまで時間もかかるし、苦労するんじゃないかな。DeNAからメジャー移籍した筒香は元々ドアスイングで後ろが大きいバッター。向こうでもそれが修正できず、結局、目立った成績を残すことなく帰国することになった。昔の選手でいえば、1年で日本に戻ってきた中村紀洋もそういうタイプだったんじゃないかな。
日本人野手で向こうで長く第一線でプレーしたのはヤンキースの松井とマリナーズのイチローぐらい。そこに鈴木も続けるか。それぐらい野手で成功するのは難しい。
投手では西武の今井が多くの球団から注目を集めているようだけど、彼は球も速いし、コントロールもいい。十分に通用するだろう。一方で同じ西武の高橋はどうなんだろうね。そんなにコントロールがいいわけでもないし、日本でも飛び抜けていい成績を残しているわけではないので、向こうでも苦労するんじゃないかなという気がする。
私が現役だった時はメジャーなんて考えもしなかった。日米野球に出場させてもらって、メジャー相手に抑えはしたんだけど、それでも日本の野球はアメリカと比べてレベルが低いと思っていたから、向こうでプレーする選択肢なんて私だけでなく、ほとんどの選手になかったように思う。何より持って生まれたパワーも全然違うからね。
しかし、そんな風潮の中、野茂がメジャーへの道を切り開き、その後を日本の選手が次々と続いていった。今ではテレビやネットで簡単にメジャーの試合を見られるようになって、また、日本では考えられないような莫大(ばくだい)なお金も手にできるとあって、多くの選手がメジャーを目指す時代になった。それだけ日本の野球のレベルも上がってきている。
私がプレーした昭和の時代で、今のメジャーでも通用した選手を挙げるとすれば、打者なら落合さん。日本の時みたいにホームランはぽんぽん打てないと思うけど、速い球にも対応できるのでヒットを打つことに関しては問題ないと思う。投手に関しては全盛期の江夏さん。球は速いし、コンロールもすごい。間違いなくメジャーでも活躍できる。今、多くの日本人投手がメジャーで投げているけど、江夏さんとは比べられない。というか比べるのが失礼なぐらい、江夏さんの方が圧倒的に上ということ。江夏さんは晩年になってメジャーに挑戦したけど、全盛期の時に投げている姿を見てみたかったね。





