【野球】青学大主将・藤原「自己中集団」を神宮大会連覇へ導いた変化とは 入学前は「一匹狼」

 東都大学リーグ6連覇を果たした青学大が、第56回明治神宮野球大会で史上6校目の連覇を達成した。大阪桐蔭出身のスイッチヒッター・藤原夏暉内野手(22)が主将としてけん引。「自己中集団」と表現する個性豊かなチームを率いてきた思いとは-。

 大阪桐蔭から青学大へ進んだ決断を振り返って-。そう問われた藤原は笑った。「大正解だと思います」。神宮大会連覇という結果だけが根拠ではない。理由を続けた。

 「大学に入る前は『一匹狼』の人間だった。誰ともあまり関わらず、プライベートで遊んだりもしない感じだった。安藤監督は人とのつながりを大事にする方なので、それを見て学んで、自分を変えていったら、人生で一番楽しい4年間になりました」

 変化が訪れたのは3年生になった頃。「極端に変えてみようと思った」と自らチームメートに話しかけることが増えた。寮生活などグラウンド外での会話も重視。「意識し始めて、野球もうまくいくようになりました」と明かす。

 とはいえ「自分を変える」ことは、簡単なことではないのでは-。率直な質問をぶつけると、藤原は落ち着いた口調で答えた。「監督さんもそうですし、先輩方が、後輩がやりやすい環境をつくってくれた。受け継いでいかないといけないと思いましたし、そこに早めに気づけた」。常勝軍団となる過程でつくり上げられてきた風通しの良い環境。変化する勇気を持つことは自然なことだった。

 人生初の主将就任から1年。準決勝で敗れた今春の全日本選手権の悔し涙を糧に、今秋はリーグ6連覇を果たした。1番打者として打率・340を記録するなど初のベストナインを受賞。神宮大会では、決勝で先制の口火を切る一打を放ち連覇に貢献した。「個性はどこのチームにも負けないと思うので、そこを生かそうと思いました。悪い方向へ行かないようにだけ、軌道修正できるように考えながら」と藤原。「背中で示すタイプ」でありながら、視線は常にチーム全体へ向いていた。

 新主将の渡部海捕手(3年・智弁和歌山)には、いつでも力を貸すつもりだ。「苦しんだ分だけ最後は良いモノになる。海には『毎日でもいいから困ったらすぐ電話してこい』と言っています。新戦力が出て、野球がガラッと変わるんじゃないかと思っている。海がどう導いていくか、すごい楽しみです」。自身は2年後のプロ入りを目指して社会人野球へ進む。「即戦力として入って、プロにつながる1年目にしたい」。かけがえのない経験を生かし、次なる舞台でも躍動する。

 ◇藤原 夏暉(ふじわら・なつき)2003年7月10日生まれ、22歳。大阪出身。177センチ、80キロ。右投げ両打ち。南池田小から和泉オールスターズでソフトボールを始め、南池田中では大阪和泉ボーイズに所属。大阪桐蔭では2年秋からベンチ入りし、3年時は春夏ともに甲子園出場。青学大では1年春にリーグ戦デビュー。50メートル走5秒9、遠投100メートル。目標の選手は松井稼頭央。

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