【スポーツ】バンタム級戦線は井岡一翔が台風の目に 井上拓「モチベーションはめちゃくちゃ上がる」夢の日本人カード続出か

 ボクシングの元世界4階級制覇王者、井岡一翔(36)=志成=がバンタム級に転向し、大みそかに再起戦を行う。日本男子初の5階級制覇が懸かるレジェンドは新天地で、WBC王者の井上拓真(大橋)、WBA王者の堤聖也(角海老宝石)との日本人対決が実現する可能性も浮上し、台風の目になりつつある。

 超大物のバンタム級参戦に、ボクシング界が色めき立っている。井岡は日本人王者への挑戦について「そういう選手と戦いたくて上げたのもある。自分がバンタム級に上げることでより盛り上がり、その中で王者に返り咲いて5階級制覇をしたい。チャンスがあれば、誰とでもいいのでチャンピオンに挑戦したい」と強い意欲を示した。

 井岡は10月29日にバンタム級に上げての再起を表明したが、WBA王者の堤はすぐに反応し「レジェンドがバンタム級に上げてきたので、ぜひ挑戦を受けたい」とラブコールを送った。堤は12月17日に5階級制覇王者ドネアと団体内統一戦を行うが、井岡は「堤選手が勝つと思う。ドネア選手は瞬発的なパワーが衰えると自分のボクシングをつくりにくくなる。堤選手が自分の距離に持っていきやすいのでは」と戦況を分析した。

 さらに、今月24日に那須川天心にプロ初黒星をつけて返り咲いたWBC王者の井上拓も、井岡戦について「(決まれば)モチベーションはめちゃくちゃ上がる。自分としては盛り上がるカードをやっていきたい」と積極的。所属ジムの大橋秀行会長は拓真の次戦相手として「井岡選手も面白い」と前向きに言及した。井岡自身も「一番やりたいのは拓真選手」と明言したが、大みそかの再起戦の配信が大橋ジムと関係が深いLeminoとなったことで、より現実味を帯びてきた。

 また、初黒星を喫した那須川天心も再起の機会をうかがう。相手陣営だった大橋会長は「天心選手は、この経験でさらに強くなる(ような)試合になった。巻き返しが楽しみ」と異例のエールを送ったが、かねて元キック王者対決が期待されていた前WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)も再起を見据えているだけに「武居VS天心も面白い」とあらためて実現の可能性に言及した。

 バンタム級では、6月の中谷潤人(M・T)-西田凌佑(六島)による王座統一戦や、2月の堤-比嘉大吾(志成)など、年間最高試合の候補に挙げられる日本選手同士の名勝負も繰り広げられた。中谷が来春予定の井上尚弥(大橋)とのビッグマッチを見据えてスーパーバンタム級に転向したものの、2026年も大きなうねりは止まらなそうだ。(デイリースポーツ・藤川資野)

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