オープン戦で好投のロッテ・佐々木朗希 帽子を飛ばして投げる姿に“激投型”の片りん

“激投型”の片りんを見せた。ソフトバンク打線を相手に帽子を飛ばして力投するロッテ・佐々木朗希=10日、ZOZOマリン(撮影・開出牧)
まるでアニメの主人公だ。1回ソフトバンク2死一、三塁、帽子を飛ばしてウォーカーを空振り三振に仕留めるロッテ・佐々木朗希=10日、ZOZOマリン(撮影・開出牧)
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 悪太郎か、はたまた悲劇のエースか。ロッテ・佐々木朗希投手(22)が、オープン戦(対ソフトバンク)で帽子を飛ばしながら力投し、3回4安打無失点の好投を見せた。

 一回裏2死一、三塁、カウント1-2からソフトバンクのウォーカーを、三振に仕留めた。マウンド上の“怪物”の頭から帽子が飛んで落ちた。ネット裏で撮影していた私は、思わずスコアボードの球速にレンズを向けた。意外にも「142km/h」という表示。おそらくフォークだろう。ハーフスイングで三振だったことからも、ウォーカーはストレートだと思って打ちにいったにちがいない。

 二回以降も帽子を飛ばしながら投げていた。150キロ台のストレートだけじゃなく、140キロ前後のフォークを投げた後も、帽子が飛んだ。ZOZOマリンスタジアムの最大風速は6km/hの微風。度々帽子が飛ぶような強風ではなかった。

 元々、ストレートとフォークの腕の振りに差がない投手なのだが、リリース時に帽子が飛ぶとさらに球種の違いが分かりづらくなるだろう。かつて、悪太郎こと巨人・堀内恒夫投手が打者にストレートを速く見せるために、大きめの帽子をかぶり首を大きく上下に振って帽子を飛ばす演出をしたことは有名だが、ストレートと変化球の見極めを困難にする効果も、あるかもしれない。しかし実際は、最速が157キロだったことからも分かる通り本調子からほど遠く、毎回ランナーを背負って、必死に投げていたから帽子が度々飛んだのだろう。

 「悲劇のヒーロー」と呼ばれた阪神・小林繁投手を思い出す。帽子を飛ばしながら巨人打線に立ち向かう姿は反骨精神にあふれ、エキサイティングなピッチングが多くのファンの共感を呼んだ。私も子供心によく覚えている。160キロ台のストレートと“宝刀フォーク”で打者を圧倒するピッチングが、“令和の怪物”の本来のスタイルだが、帽子を飛ばして必死に投げる姿も、画になる。“激投型”の怪物も悪くない。今シーズンも、多くのファンの共感を呼ぶピッチングに期待したい。(デイリースポーツ・開出牧)

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