ファンの皆さん、元気です!ファインダー越しに感じた一軍合流のロッテ・佐々木朗希の回復ぶり

 小麦色ではなかったが、とても元気そうだった。1軍に合流しキャッチボールを行ったロッテ・佐々木朗希投手(22)だ。

 20日の対日本ハム(ZOZOマリンスタジアム)の試合前だった。梅雨明けの、真夏の日差しが照りつけるグラウンドに、“17番”の姿があった。おどけながら歩み寄るメルセデスと熱い抱擁を交わし、西野、石川歩ら先輩投手陣に囲まれ談笑。温かい空気に包まれながら、外野でキャッチボールを始めた。約50~60メートルの距離で肩を慣らし、マウンドからホームまでの距離間隔で投球。左足を高々と上げてためを作り、弓を引くように胸を張って投げ下ろす。約30球のキャッチボールから、順調な回復ぶりがうかがえた。近くで小野投手コーチが心配そうに見ていたが、アップをしながら歩み寄った同期入団の横山と言葉を交わし、笑顔を見せた。

 右上肢のコンディション不良で戦列を離れて約1カ月、2軍でリハビリを行い、復帰に向け調整していた。中6日の先発ローテーションを果たせず2度の登録抹消に、厳しい世論があるのも事実だ。

 しかし、一方で私がよく目にしていたのは、背番号17のユニホームを着たファンの姿だ。スタジアム行きのバスの中や、スタジアムの売店やトイレ、スタンドなど至る所で見かけた。調子が悪い時こそ応援するんだ、という気概を感じた。きっと、さまざまな手段で応援のメッセージを発信し、届けているにちがいない。私は報道カメラマンだが、熱烈なファンの一人でもある。東日本大震災に見舞われた、わずか数十分で津波に流された被災地に何度も足を運んでいる。想像を絶する悲劇、惨劇、試練の数々を経験し、がれきの中からはい上がった“令和の怪物”を、応援せずにはいられない。

 2軍の試合はデーゲーム。1軍に上がってきた選手は真っ黒に日焼けしている。そのイメージから“小麦色の朗希”を想像していたが、一カ月前と変わらぬ色白の顔が、調整段階を物語っていた。「わしが寂しいんで、顔見せに来てって言って呼んだんです。順調に回復していると思います」と吉井監督。このまま順調ならば後半戦開幕後の早い段階で復帰登板となる見込みだ。

 “顔見せ”の意味合いが強い1軍合流だったようだが、17番の元気な姿は、多くのファンに勇気を与えるにちがいない。私も暑さを忘れ、シャッターを切った。(デイリースポーツ・開出牧)

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