自身初の2ケタ勝利を挙げたロッテ・佐々木朗希 東北の夜空に響かせた魂の叫び
東北の夜空に、雄たけびを響かせた。チームのCS進出を決める完投勝利で、自身初の2ケタ勝利を挙げたロッテ・佐々木朗希投手(22)だ。
1日の対楽天(楽天モバイルパーク宮城)の九回無死、辰己を空振り三振に仕留めると、ファンで埋め尽くされた一塁側スタンドに向かって雄たけびを上げた。
チームのCS進出が決まる最終回のマウンド。初回に痛烈な中前打を打たれている辰己を三振に仕留め、4番の浅村の前にランナーを出さなかったのは大きい。八回2死一、三塁、小深田を二ゴロに打ち取った時も雄たけびを上げており、勝利への執念が伝わってきた。
今季は右上肢のコンディション不良で2度の登録抹消。中6日の先発ローテーションを守れなかっただけに、残されたゲームで1試合でも多くチームの勝利に貢献したいところ。9月22日の対西武(ZOZOマリンスタジアム)では、フォア・ザ・チームを感じさせるスライダー多投のピッチングで7回2失点の好投。味方の援護点を背に自身最多タイとなる9勝目を挙げ、チームを勝利に導いた。
この日も初回こそ先制点を許したが、二回以降はスライダーを巧に織り交ぜ、9回5安打1失点。2022年4月10日の対オリックス(ZOZOマリンスタジアム)で達成した完全試合以来の完投勝利。味方の援護点を背に自身初の2ケタ勝利をマークした。
最後の打者・安田を左飛に打ち取り、頭を垂れてグラブをたたく姿に、感謝の思いが伝わってくる。生まれ育った東北の夜空に響かせた雄たけびは、チームの勝利のために腕を振った男の、魂の叫びだ。(デイリースポーツ・開出牧)