高橋藍 パリでの涙から、日本の新リーグ開幕へ
11日、バレーボールの新リーグ・大同生命SVリーグが華々しく幕を開けた。満員の東京体育館で行われたその初戦は、パリ五輪で石川祐希とともに日本をリードした西田有志率いる大阪Bと、高橋藍が新加入したサントリーが激突。白熱した試合は大阪Bが3-0で勝利し、西田の笑顔がコートで輝いた。
だが私の印象に残ったのは敗れた高橋藍の表情だ。悔しさいっぱいのはずながら、どこかすっきりとした表情に見えた。約2カ月前、パリ五輪の準々決勝でフルセットの末、イタリアに敗れた。あの時、西田らと抱き合い流した涙を忘れることができない。あと一歩で超えられなかった世界の壁。3シーズン、イタリアのセリエAで戦ってきた高橋だからこそ、人一倍、歯がゆく思ったことだろう。
その高橋が今季から選んだ道が、完全プロ化も視野に入れた日本の新リーグ。サントリーへの入団会見時に「世界一を目指しているクラブであることが重要」と入団理由を明かしていたが、新たなステージでの初戦後、充実感のある表情で「ファンの注目度も高い。SVリーグは世界最高峰のリーグになっていける」と語った背番号12。“新リーグでの活躍が日本のバレーボールの強化につながる”。改めてコートでそれを体感したに違いない。(デイリースポーツ・吉澤敬太)