屋内では8月末までなるべくマスクを 新型コロナに大きな変異が起これば大ごと
新型コロナが5類へ移行し、2週間が経ちました。「第8波」のような感染爆発が今後起きるでしょうか?
実はこの2週間で、当院では8人の新型コロナの患者さんが来られました。皆さん軽症で大事には至っていませんが、この傾向は続くと思います。全数把握から定点報告に変わり、大々的に「第9波です」と言う報道はこの先、出ないと思います。皆さんも5類に変わったことで、油断とまでは言いませんが、少し緊張を解いていることでしょう。
過去、5月・8月・12月に感染者が増加していますが、昨年末にピークを迎えた第8波ほどの感染爆発は、今後は起こらないでしょう。その根拠は、第8波までで人口の4割以上の人が感染したということです。本当は6~7割は欲しいところですが、日本でもほぼ集団免疫が完成したと考えていいでしょう。2回感染する確率は10%程度と言う報告もあります。これから見て、多くの日本人は一定以上の免疫を持っていると考えていいと思います。
実際、多くの研究機関のAIを使った今後の感染予測を見る限り、楽観的なものがほとんどです。5月中旬に少し増加するというAIの予測も当たっています。ですがうちの状況に限っていえば、密やかに穏やかに、感染者が増えている感じがします。
個人的には、屋外はいいとして、屋内でのマスク着用は、8月末まではできるだけ続けて欲しいと思います。何度も申していますが、新型コロナが「オミクロン株」である限り、新しい変異と言っても、それはマイナーチェンジで、必要以上に恐れることはありません。ですが、世界のどこかで、大きな変異が起これば、つまり「パイ」や「ロー」株が現れたら、これは大ごとなのです。
◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。





