キムチをアツアツご飯に乗せるのは“NG”だった 現役医師が理由を説明

 コロナの話ばかり続きましたので、ちょっと毛色を変えましょう。今回はキムチ好きの人に朗報です。

 キムチを食べるとご飯が進むので、結果的に太るのではないかという懸念がありますが、3万人近い人の疫学的研究の結果、キムチ摂取量が少ない群と比較して、キムチをたくさん食べる人の方がBMIの増加が少ないことが、正しく証明されました。

 キムチの摂取は代謝を良くし、体重減少だけでなく乳酸菌によってコレステロールの上昇を抑えることも判明しています。しかもキムチは百グラムあたり27キロカロリーの低カロリー食です。また含まれる唐辛子の辛味成分、カプサイシンは発汗を促す作用があり、体の中の老廃物や水分が排出されて代謝が上がります。発酵食品ですので、大量の乳酸菌も含まれており、腸内環境も整えてくれます。

 善玉菌には肥満を防ぐ働きもあります。さらにキムチには多くのビタミンB群が含まれていますが、ニンニクと一緒に摂ると、これがさらに吸収が良くなります。過去の研究でも、キムチは体重だけでなく、脂肪の蓄積や体内の炎症を抑える働きもあるのではないかとされています。さて、キムチの摂取量ですが一日50グラム程度を目安にして下さい。塩分も多いので食べ過ぎは注意です。

 キムチも納豆も、含まれる大量の乳酸菌が腸内で善玉菌として働きます。乳酸菌と納豆菌のダブル効果で「腸活」に役立つ組み合わせです。ただし熱々ご飯に乗せたり、鍋に入れるのはNGですからご注意ください。乳酸菌は熱に弱いため、せっかくの効果が半減します。くれぐれも、キムチが身体に良くて美味しいからと、お米を食べすぎないように!

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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