見た目同じ、素麺と冷や麦はどう違うのか
北海道に住む親戚から「生ひやむぎ」なるものを送っていただき、その美味しさに感動してしまいました。ひやむぎにしても蕎麦にしても、乾麺には乾麺の良さがありますが、作ったものをそのまま食べる生麺は格別で、そうめん(乾麺)とも、ラーメンとも、蕎麦ともうどんとも異なる独特の食感で、いま私、病みつきになっています。
関西ではそうめんが主流で、ひやむぎはあまり一般的とは言えません。名古屋から東はひやむぎが多いようですが、調べても理由はよく判りませんでした。そもそも素麺(そうめん)と冷麦(ひやむぎ)はどう違うのでしょうか。見た目も製法も原材料もほとんど同じなので、混同されがちです。素麺も冷麦も原料は、小麦粉と水、塩と油です。
違うのは麺の太さです。JAS(日本農林規格)の規格では、そうめんの太さは直径1・3ミリ未満と定められていますが、ひやむぎの麺の太さは直径1・3ミリから1・7ミリ未満までと定められており、ひやむぎの方が少し太い。太さが直径1・7ミリ以上の麺は「うどん」と定義されます。
「生ひやむぎ」の話に戻りますが、「生」なので、ビニールパックに水に浮いた状態で一人前ずつ、乾麺で2把分くらいでしょうか、糸こんにゃくみたいな感じで包装されています。もともと北海道が発祥のようで、北海道といえば小麦の一大産地です、麦そのものが美味しく、またひやむぎですので、そうめんより太いため、小麦の風味が強く、生麺の食感も独特で、他に例えようがありません。北海道ではたくさんのメーカーが製造販売していますが、関西ではまだ見かけたことはありません。もし売っているのを見つけたら、ぜひいちど買ってご賞味ください。
◇松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。
