「今日もダルい」秋バテの原因と治し方 ぬるいお湯にゆっくりつかって 松本浩彦医師が解説

 新型コロナ「エリス」だの「ピロラ」だの、インフルとコロナの同時感染がどうとか、もうみなさん辟易としておられると思います。今更どうしろと言うのだ、というのが本音ではないでしょうか。私からも、あえて言うなら、今秋に始まるインフルエンザの予防接種だけはできるだけ受けてください、くらいです。

 さて、今年の夏は記録的な暑さでしたね。追い打ちをかけるように。今年は10月まで暑いという気象予想ですが、そうなると余計に厄介なのが「秋バテ」という現象です。この時期になると、この話題は外せませんが、今年は特に暑かった分、注意が必要です。なにせ野菜が土中で溶けて腐るほどの暑さで、野菜の値段は高騰しています。野菜でそうですから、人間も身体の負担は格別だったはずです。

 夏バテは寒暖の差が激しいことで起こります。冷房の効いた室内と暑い屋外を出たり入ったりするのが、いちばん夏バテをきたしやすいのです。医療の現場では実は、夏バテは夏の終わり、初秋に多く見られます。夏の間に体を冷やし過ぎたことが原因で、全身倦怠感などがみられます。寝込むほどの重症ではないけど、何となく体調がすぐれない。これが秋バテです。冷たいものをたくさん飲むと胃液が薄まり、これは食欲不振や消化不良の原因になります。

 当然、新陳代謝も低下しています。その原因は自律神経の乱れにあります。自律神経を整える薬はいろいろありますが、私のお奨めは、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる半身浴。そして大切なのはその後すぐに布団に入ることです。

 入浴後まだ身体が温かいうちに、サッと寝床に入ってしまう。風呂から出てゴソゴソせずに、さっさと体を拭いてパジャマに着替えて、身体が冷める前に睡眠モードに入ることで、疲れを取る深い眠りがとれるようになります。そのためには、入浴のタイミングを1日の最後に持ってくるという、生活のサイクルを変える必要が出てきますが、そんなちょっとしたことの積み重ねで健康は維持できるものです。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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