ペットボトル症候群 スポーツドリンクを飲み過ぎると血糖値が急上昇して危険、水分補給時は無糖の飲み物を

 この蒸し暑さで、スポーツドリンクやジュースを飲むことが増えておられると思います。スポーツドリンクの適度な摂取は熱中症予防に効果的ですが、飲み過ぎると血糖値が急激に上がり、いわゆる「ペットボトル症候群」になることがあります。

 ペットボトル症候群とは、医学的には「ケトーシス」と呼ばれ、ジュースやスポーツドリンクなどの甘い飲み物を大量に飲むことでおこる急性高血糖の状態を指します。放置すると「糖尿病性ケトアシドーシス」と同様の状態になることもあります。これは高血糖による脱水、ケトン体による血液の酸性化、電解質のバランス異常によって全身の臓器機能に障害をきたし、生命の危険さえあります。主な症状は、喉の渇き、多尿、頭痛、吐き気などで、熱中症とよく似た症状ですが、多尿という点で鑑別します。熱中症では多尿は起こりません。

 スポーツドリンクは失われた電解質を補給する目的で作られていますが、糖分も多く含まれているため、長時間にわたって大量に飲むのは危険です。特に糖尿病の患者さんは細心の注意が必要です。アスパルテームなどの人工甘味料を含むスポーツドリンクもありますが、これはこれで、大量に飲むと健康を害します。

 水分補給時は無糖の飲み物を選ぶようにし、糖分が多い飲料を控える方が賢明です。私はいつも2リットルのペットボトルに入れた水に、食塩をティースプーンすり切り一杯(4g)入れ、よく混ぜて飲むように推奨しています。

 ◆松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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