「あの幸福感を提供したい」元阪神ドラ1左腕が焼肉屋を生涯の仕事と決めた理由 7月、尼崎にオープン

 阪神の2014年ドラフト1位、横山雄哉さんの焼肉店「焼肉 虎のゆうや」がオープンした。7月28日、阪神ファンの熱気にあふれる街、阪急塚口に店を構えた。約3年間運営したアパレル事業を経て、なぜ焼肉店を開店させたのか。そこには横山さんの熱い想いと、尼崎の街との絆を築くための明確なビジョンがあった。横山さんに聞いた。

  ◇   ◇ 

 「やっぱり、僕はお客さんと直接話したい」「自分自身、焼肉が大好きだったのでいつかやってみたかったんです」。そう語ったのは横山さん。きっかけはプロ野球選手として全国を飛び回る中で数々の焼肉店を訪れ、その魅力に惹きつけられていったからだという。

 「焼肉って、食べた後の満足感が一番あると思うんです。あの幸福感を今度は僕自身が提供したい。その想いが店舗オープンの原点です」

 これまで手掛けてきたアパレル事業は、主にインターネットでの販売が中心だった。「やりきったという達成感はあります。ただ、お客さんと直接触れ合う機会が少なかった。僕は毎日、いろんな方と直接お話するのが好きなんだと。それが自分の生きていく道だと気づいたんです」。地道な作業も多かったアパレル業に比べ、焼肉店ではお客様一人ひとりの顔を見て、会話を交わすことができる。「自分の中にある社交的な性格を最大限に活かしたい。僕の長所を最大限に活かしたいと感じ出したのが始まりです」と語った。

 元プロ野球選手ならではのおもてなし「焼肉 虎のゆうや」の最大の魅力は、横山さん自身が最高の「焼肉のタレ」となり、沢山の味をトークで提供することだと話す。「当然ですが、各テーブルに自分から回りご挨拶をさせて頂き、現役時代の練習内容や今のタイガースがどう見えているか。もちろん怪我で苦しんだことも話し、野球をやってる人には僕のような経験はしてほしくないとも話したい」。

 「アパレルで骨をうずめるつもりだったのに今度は焼肉。どう見られているかも気になってました」。そんな心配をよそにオープン当日は阪神の現役選手やOBたちから、おめでとうと大量のお花やお祝いの電話が届いた。「僕みたいな男に、『頑張れよ』と言ってくれて、なんとも言えない嬉しい気持ちが込み上げて来て、必ず成功させないといけないと心に誓いました」と気持ちを新たにした。

 「お世話になったタイガース球団、選手、OBの方々、そして野球以外で社会人の出発点として育ててもらったアパレル会社SIR(シール)の方々へも、焼肉店を成功させていつか恩返しがしたい。いつでも気軽に立ち寄れるような温かい雰囲気の場を作りたい」と話す。

 出店場所として尼崎市の塚口を選んだのも明確な理由がある。「2軍の本拠地も近く、タイガースファンが日本で一番熱い場所なんです。甲子園での試合観戦帰りの方も多いですし、お店は深夜12時まで開けているので、試合後にもゆっくり立ち寄ってもらえたら嬉しいです。今年、タイガースが優勝したら、街の方々と一緒に尼崎を盛り上げるイベントも考えています」と勝利の喜びを分かち合う新たな「聖地」にしたいと優勝企画も考案中だ。

 インタビューの最後に横山さんはこう締めくくった。「僕にとっては、外食の中で焼肉が一番幸福でした。オープンまで神戸の焼肉店等で修行し、厳選した美味しい肉を通して、皆さんに来て良かったと言ってもらい、最高の時間を過ごして頂きたい。そしてこの尼崎から阪神タイガースをさらに盛り上げていきたいです」。怪我に苦しみ、一時は育成契約になりながらも、不屈の闘志で再度支配下契約を自分の手で掴んだ男だからこそ、もう一度生涯を懸けて勝負したいという想いがある。マウンドで見せた不屈の闘志を新たなステージに注ぎ、ファンに笑顔と幸福を届けてくれるだろう。

 【店舗情報】「焼肉 虎のゆうや」/兵庫県尼崎市南塚口町2-16-2 南塚口ビル 2F / 阪急神戸線「塚口駅」南口より徒歩2分/営業時間・17:00~24:00 (フード・ドリンクラストオーダー 23:30) /定休日・年中無休/全席禁煙、クレジットカード・電子マネー・QRコード決済可

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