【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】海外での仕事では「自分を低く見せすぎないこと」が大切
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 西村社長と同じ50代半ばの男です。会社員です。とあるメーカーの海外事業のセクションに勤務し、これまでは国内業務が中心でしたがコロナがすっかり明け、また責任ある立場となったこともあり、海外出張が増えてきました。年齢的に長時間の移動、時差ボケがつらいのです。次は数か月滞在することになりそうで、英語圏ですが言葉の不安もあり、人脈も作らねばならないと思うとプレッシャーです。西村さんは米国滞在歴がおありですね。言葉の不安、異国での人脈作り、時差ボケなどの対策をどのようにされているのか、ぜひお伺いしたく質問のメールをお送りしました。
【回答】 ご相談ありがとうございます。私も同世代として、とても共感しながら読ませていただきました。50代になると、身体もメンタルも20代30代の頃とは違ってきます。とくに長時間の移動、時差ボケ、それに加えて言葉の壁や異文化の中での人間関係構築というのは、非常に負荷が大きい。でもそれを正直に口に出せること自体、とても誠実な姿勢だと感じました。
まず「英語」についてですが、私自身、11年ほどアメリカに住んでいたとはいえ、「完璧な英語」である必要はないというのが私の持論です。要は“伝える意志”があるかどうか。私たちはビジネスの現場にいるわけですから、目的は会話そのものではなく、仕事を前に進めること。言葉に詰まっても、笑顔と熱意で伝えきる。このスタンスで私はずっとやってきました。
語学力よりも大切なのは「自分を低く見せすぎないこと」。相手がネイティブであっても、必要以上に卑屈になる必要はまったくありません。むしろ、年齢を重ねた今だからこそ出せる落ち着きや信頼感、そういうものが海外では評価されます。堂々と、「自分の言葉」で勝負する。そこに大事な人間力が宿ると私は信じています。
人脈についても同様です。焦って広げようとせず、1人ずつ、誠実に関係を築いていけばいいと思います。私はまず「相手の話をよく聞く」「相手の文化をリスペクトする」ことを徹底しています。いきなり深い信頼は得られませんが、小さな積み重ねがいずれ大きな信頼になります。名刺の数ではなく“思い出せる顔”がいくつあるか。それが人脈の本質ではないでしょうか。
そして長時間の移動や時差ボケへの対処ですが、私が実践しているのは「出発前から現地のリズムに身体を合わせておくこと」と、「無理をしない日程の組み方」です。50代になると、1日の疲れが翌日に残ります。だからこそ、“戦略的に休む”という視点も欠かせません。出張中は朝に軽い運動を取り入れたり、食事をできるだけ整えたり、小さな習慣でコンディションを維持しています。
プレッシャーは成長の証です。若い頃のように勢いでは乗り切れないからこそ、知恵と経験で乗り越えていく。それが私たち50代の挑み方だと思います。どうかご自身の積み上げてきたキャリアに自信を持ってください。そして無理なく、でも着実に、次のフェーズへ進まれることを応援しています。異国の地で、きっとご自身の魅力が伝わるはずです。
◇西村 誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万3000人。





