【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】ローンか現金か?お金の使い方には“戦略”が必要
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 金利がまだ低い今だからこそのご相談です。例えば手持ち資金が1000万円あるとします。欲しい車があって値段が500万円とします。借金はすべきではないという考えからキャッシュで全額払って買うべきか、それとも月々数万円のローンを組んで数年で返済する計画を作り、残ったお金を投資に回して金利以上のリターンを狙うべきか。西村さんは30億円の自宅をお建てになったそうで、これはどのように支払われたのでしょうか。インフレの時代、どのようにお金を使うべきかご指南ください。
【回答】 今は低金利かつインフレ傾向が続いている時代背景もあり、「借金=悪」という一方的な考え方では立ち行かなくなっているのも事実です。とはいえ、借りることに対する不安や、現金をしっかり手元に残しておきたいという気持ちもよくわかります。
ご質問に対する答えを端的に言えば、「目的による」というのが私の考え方です。たとえばその500万円の車が、あなたにとってただの“欲しいモノ”ではなく、「仕事に使う」「自分の信頼感を高める武器になる」「モチベーションや自信につながる」という要素を持っているなら、私は迷わず一括で買ってしまうことを勧めます。なぜなら、そこには“目に見えないリターン”が存在するからです。
実際、私が建てた自宅、渋谷の一等地にある30億円の豪邸も全額キャッシュで支払いました。ローンを組む選択肢も当然ありましたが、「現金で払う」という行為そのものが、私にとっては“覚悟の証明”であり、“ブランドの一部”でもあったからです。
ただし、これは誰にでも当てはまる答えではありません。私が強く意識しているのは、「お金の使い方には“戦略”が必要だ」ということ。あなたが今検討されている「ローンを組んで資金を残し、その差額で金利以上のリターンを投資で狙う」という考え方も、正しく運用すれば理にかなっています。
とはいえ、“投資で金利以上の成果を出せる”というのは、口で言うほど簡単なことではありません。たとえば3~5%の金利を超える利益を安定的に出し続けるには、相応の経験、情報、そして精神的な安定も必要です。ですので、「投資で取り戻す前提でローンを組む」こと自体にプレッシャーを感じるなら、一括で買う方が結果的に健全です。
ではどうするべきか。その判断軸として、私がよく社員にも話すのは以下のような考えです。
・「それが自分にとって“伸びる支出”なのか、“減る支出”なのかを見極める」
・「それを持つことで、数年後の自分が明らかに上のステージに行けるかどうかを想像する」
車に限らず、モノでも投資でも、不動産でも教育でも、「その支出の先に、自分の進化があるか」。そこを冷静に考えるべきです。そしてインフレが進んでいる今だからこそ、“現金を眠らせない”という意識はとても重要です。ただ、投資は常にリスクがつきものですから、すべてを投資に振る必要はなく、「手元に残す安心感」も同時に設計しておく。そうしたバランス感覚が求められる時代だと感じています。
金を使うときは、“なんとなく”ではなく、“何を得たいか”を明確にすること。それができれば、買い物も投資も、もっと意味あるものになります。応援しています。お金はツールにすぎません。自分の人生に何を積み上げたいのか、その視点を持って動けば、必ず正しい選択ができるはずです。
◆西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万4000人。





