【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】許せぬ言動あった義父との同居に迷い
西村さんは義理のご両親と同居されているとネットニュースで読んで、ご相談申し上げます。私は50代女で、夫が80代の父親と同居したいと言ってきました。義母はすでに鬼籍に入っています。私の親は2人ともなんとか健在です。義父はわたしたちに子供がいないことを時折非難するように言います。わたしに欠点があるような口調だったこともあり、それが許せないのです。今のところ拒否していますが、夫は「子がいないのは2人の選択だと説明する」と言ってくれてますが。西村さんは義親とどのように、うまくやっていますでしょうか。私は心が狭いでしょうか。
【回答】 義理のお父様との同居をめぐって悩まれているお気持ち、そして過去の言葉による心の痛みから拒否感を抱いてしまうことはとても自然なことです。人は理屈ではなく感情で傷つきその記憶は簡単には消えませんから、心が狭いわけでは決してありません。むしろご自身の正直な感覚に向き合っているからこそ迷いが生じているのだと思います。
義理の親との同居は、生活習慣や価値観の違いが日常の中で直接ぶつかるため良い関係を築くには努力が必要です。過去に「子どもがいないこと」を責められたように感じた経験があるならなおさら、心理的な壁を感じるのは当然です。その一方で、ご主人が「子どもがいないのは二人の選択だ」と言ってくれることはとても大きな支えになります。夫婦が同じ立場で向き合えることは、義理のお父様との関係を築くうえでの大きな安心材料です。
もし同居を選ぶのであれば、完全に生活を一体化する必要はありません。同じ家に住みながらも生活空間をある程度分け、食事や日常のペースを必ずしも合わせない形をとることで、心の距離感を保ちながら関係を続けることもできます。また、家事や生活費、将来的に介護が必要になった場合の役割については、前もってご主人と十分に話し合っておくことが大切です。心ない言葉に傷ついたときには「その言い方はつらい」と伝える勇気を持つことも必要で、沈黙して耐えることが必ずしも良い結果を生むわけではありません。
同居するかどうかは、義父のためだけでなく夫婦の関係やあなたご自身の心の健康にも直結する重大な選択です。無理をして心を押し殺してまで同居すれば結果的に誰にとっても良いものにはならないでしょう。だからこそ「私はどうしたいのか」「この形なら続けられる」と自分の意志を持つことがとても重要です。ご主人と対話を重ねながらお互いが納得できる形を探し出すことが、最も建設的な道になると思います。
心が狭いわけではなくごく自然な感情を抱いているにすぎません。大切なのは自分の気持ちを尊重しつつ、夫婦で協力して最適な落としどころを見つけていくことです。
◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万5000人。




