【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】夢を諦めるのか?音楽活動ではなく就職選んだ娘に複雑

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。

 【相談】 大学4年生の娘をもつ父親です。娘は子供の頃から音楽が好きで高校、大学とバンドを組んでいました。キーボードをやっています。作曲もしているそうです。卒業後はどうするのだろうと思っていました。会話は少ないです。妻が言うには就職活動をしていて何かのメーカーから内定を得たのだそうです。わたしは「それでいいのか」と心配です。4年生といっても20歳を少し超えたばかりなのに卒業だからといって夢を諦めてもいいのか。あと2、3年はお父さんが食わせてやるから音楽を続けてみろ、と言いたい気持ちがあるのですが、食っていける可能性は小さいですよね。夢と現実の間というやつです。親のエゴでしょうか。

 【回答】 ご相談ありがとうございます。お嬢さんの将来を思う親心、深く共感します。音楽という夢と現実的な就職という選択。その間で揺れるお気持ちは、まさに親として当然のことです。私も若い頃、自分の道を決める際に多くの迷いや葛藤を抱きました。

 お嬢さんが音楽を続けたいという気持ちを持ちながらメーカーへの就職を選んだということは、きっと「夢を大切にしつつも、現実も見ている」ということだと思います。社会に出るという選択は、決して夢を諦めることとは違います。音楽は就職した後でも続けられるものですし、むしろ現実の社会を経験することでより深みのある表現ができるようになることもあります。

 私自身も、会社員として外資系のコンサルティング会社に勤めていた時期がありました。ですが、その経験があったからこそ後に起業し、数々の事業を立ち上げることができました。若いうちに社会で揉まれ人と関わり責任を果たすという経験は、どんな夢にも通じる“人生の基礎力”になります。

 一方で、「あと2、3年は支えるからやりたいことをやってみろ」というお気持ちも、私はとても理解できます。親として、子どもが好きなことに本気で打ち込む姿を見ることほど誇らしいものはありません。ただ、本人がすでに現実的な選択をしたうえでその中に音楽を残しているなら、それを尊重してあげることも愛情のひとつです。大事なのは「音楽を仕事にするかどうか」ではなく、「音楽をどんな形で人生に残すか」だと思います。

 もし、お嬢さんが就職後も音楽を続ける意思を見せたら、ぜひ応援してあげてください。仕事と趣味を両立できる人は、バランス感覚に優れ精神的にも強くなります。そして何より、親が「信じてくれている」ということが、子どもにとって最大の支えになります。

 夢と現実はどちらか一方を選ぶものではありません。両方を行き来しながら、自分にとっての正解を見つけていくものです。お嬢さんがその途中にいるのなら、焦らず、静かに見守ってあげる。それが、親として一番強くて優しい支え方だと私は思います。

 ◆西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万6000人。

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