【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】10年後もAIに取って代わられない仕事とは

 にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。

 【相談】 この先AIにとって代わられる仕事とはなんでしょう?医者や弁護士もAIに代わられるという記事を読んで驚きました。人手不足の業界は願ったりかなったりでしょうが、同時に「自分の仕事がなくなる」と恐れてもいます。わたしは教師ですが、これも部分的には取って代わられてもおかしくないと思います。子供を盗撮するような犯罪者がまぎれこんでいますからね。西村さんの未来予測では、10年後もAIに取って代わられない仕事とは何でしょうか。それを見分けるには何が必要でしょうか。

 【回答】 ご相談ありがとうございます。AIの進化と共に「自分の仕事がなくなるのでは」と不安を感じる方は、今やどんな業種にも多いと思います。特に教師という立場であれば、「知識を伝える」部分がAIによって代替される未来を想像してしまうのも無理はありません。ですが、私は“AIができること”と“人間にしかできないこと”を切り分けて考えることが、これからの時代を生きる上で非常に大切だと思っています。

 確かに、単純作業や定型業務はAIが得意です。たとえばデータ分析、翻訳、会計処理、文章要約などは、すでにAIの方が速く正確にこなします。医師や弁護士の世界でも、診断や法文検索といった部分的な業務はAIが担えるようになっています。しかし、AIには“状況を読む力”や“人の気持ちを感じ取る力”が決定的に欠けています。つまり、感情を扱う仕事、信頼関係を築く仕事は、今後10年経ってもAIには置き換えられません。

 教師の仕事を例にとると、AIが知識を教えることはできても、生徒一人ひとりの個性を見抜き、その子に合った声かけや導きをすることは人間にしかできません。子どもが自信をなくしている時に励まし、努力を認め、未来を信じてあげる-これはどんなに優れたAIでも不可能です。教育とは“人を育てる仕事”であり、そこには愛情と信頼が不可欠です。AIはあくまで“支える道具”であって“代わり”にはなれません。

 同じことが、これからの社会全体にも言えます。AIが進化していくほど、逆に「人間らしさ」が価値を持つ時代になります。創造力、共感力、コミュニケーション力-こうしたものは、技術では再現できません。だからこそ、自分の仕事にAIをどう活かすか、自分が人として何を付加できるかを考えることが重要です。AIに負けない努力ではなく、AIと共存して成果を最大化する発想を持つ人が、これからの時代をリードしていきます。

 私は常に「AIは敵ではなく、パートナー」と考えています。AIが得意な領域を任せ、自分は人としてしかできない領域に集中する。そうすれば、AIの台頭は恐れるものではなく、むしろ成長の機会になります。

 10年後も変わらず価値がある仕事とは、「人に寄り添い、信頼を築ける仕事」です。教師も、医師も、経営者も、そして親も。そこに共通するのは“人を導く力”です。AIが登場しても、人を動かすのはいつの時代も人です。あなたが教育者として日々向き合っている姿勢こそ、これからの時代に最も必要とされる「人間の力」だと思います。

 ◇西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年生まれ、愛知県出身。「イモトのWiFi」「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数7万6000人。

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