【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】人の成功談より失敗談を学ぶ
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 自分の人生経験が足りない話で恐縮です。実は最近、ある講演で「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というドイツのビスマルク宰相の言葉を聞き、考えさせられました。社会人生活は20年を超え、これまで多くの経験を積ませていただき、それが財産となりようやく仕事に生かせるようになってきました。経験が一番の大きな強みと思っていましたが、どこか頭打ちになっている自分に「他者の経験や歴史から教訓を得ることが大切」というこの言葉は心に響きました。今は、歴史書などを読み勉強しています。西村社長は、若いころの苦労など多くの経験を積まれた上で、実業家として成功されています。その姿はとても惹かれます。人として成長する上で転機となった言葉や経験、人から学ぶことの大切さや心構えなど、ご教示いただければ幸いです。良きアドバイスをお願いします。
【回答】 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。私も非常に示唆に富んだ言葉だと思います。
ただ、この言葉を聞くと、「経験は意味がない」と受け取る方もいますが、私はそうは思いません。人は経験を通してでしか身につかないことがたくさんあります。一方で、自分一人の経験には限界があります。だからこそ、歴史や本、人との出会いから学ぶことが大切なのだと思います。
私自身、若い頃は決して順風満帆ではありませんでした。生活保護を受ける家庭で育ち、新聞配達をしながら学費を工面し、大学卒業後は外資系コンサルティング会社で働きました。その後、25歳で起業しましたが、経営者になってからも失敗の連続でした。振り返ると、自分の経験だけでここまで来られたとは思っていません。
本を読み、多くの経営者の話を聞き、歴史や先人の考え方にも触れてきました。自分では経験していない出来事でも、「もし自分だったらどう判断するか」を考える癖をつけることで、自分の引き出しが少しずつ増えていったように思います。
私が特に大切にしているのは、「成功談より失敗談を学ぶ」という姿勢です。成功には時代や運もありますが、失敗には共通する原因があります。だから私は、人の失敗や歴史上の出来事から、「自分ならどう防ぐか」を考えるようにしています。
また、人として成長する転機になったのは、「自分が正しいと思った瞬間が、一番危ない」ということを学んだ経験です。経営者になると、周囲は反対意見を言いづらくなります。だからこそ、自分とは違う意見を歓迎し、耳の痛い話にも耳を傾けることを意識しています。人は、自分と同じ考えの人とばかり付き合っていると成長が止まってしまいます。
ご相談者様は、歴史書を読んで勉強されているとのことですが、それはとても素晴らしいことです。ただ、本を読むだけで終わらせず、「この出来事を今の仕事ならどう生かせるだろう」「自分ならどう判断するだろう」と考えながら読むと、学びは何倍にも大きくなります。
そして最後に、一つお伝えしたいことがあります。人生は、「経験すること」と「学び続けること」の両方があって初めて成長できます。経験だけでは視野が狭くなりますし、知識だけでは行動が伴いません。
私は今でも、「昨日より今日、今日より明日、少しでも成長したい」と思っています。年齢を重ねても、会社が大きくなっても、その気持ちは変わりません。20年の経験を積まれた今だからこそ、これからはご自身の経験に加え、歴史や先人の知恵、人との出会いを掛け合わせることで、さらに視野は広がっていくはずです。
学ぶことに終わりはありません。その積み重ねが、人としての深みになり、仕事にも人生にも必ず生きてくると私は信じています。
◆西村誠司(にしむら・せいじ)1970年生まれ、愛知県出身。「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数8万2000人。
