【にしたん社長の人生相談 お悩みクリニック】長く夫婦関係を続けるには、近すぎず遠すぎない距離感が必要
にしたんクリニックなどを展開するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長があなたの悩みに答えます。
【相談】 50代女性です。夫とは結婚して30年近くになります。子どもたちも独立し、夫は数年後に定年を迎える予定です。最近の悩みは、定年後の夫婦生活です。夫は昔から仕事一筋で、休日も特に趣味がなく、家でテレビを見たり昼寝をしたりして過ごしています。そのため、定年後は毎日家にいるようになるのではないかと思っています。もちろん、これまで家族のために一生懸命働いてくれたことには感謝しています。ただ正直なところ、24時間ずっと一緒に過ごす生活を想像すると不安になります。夫のことが嫌いなわけではありませんが、自分の時間も大切にしたい気持ちがあります。西村社長が考える、定年後も良い夫婦関係を続けるコツを教えてください。
【回答】 ご相談ありがとうございます。結婚して30年近く、ご主人が仕事一筋でご家族を支えてこられたことへの感謝がある一方で、定年後に毎日ずっと一緒に過ごすことへの不安もある。そのお気持ち、とても自然なものだと思います。ご主人が嫌いだからではなく、ご自身の時間や生活のリズムも大切にしたいからこその悩みなのだと感じました。
まず、定年後の夫婦生活で大切なのは、「夫婦だから何でも一緒にする」という思い込みを持たないことです。長く夫婦を続けるには、近すぎず遠すぎない距離感が必要です。これまでは仕事や子育てが、自然にお互いの時間を分けてくれていました。定年後は、その区切りがなくなるため、意識して自分の時間をつくらなければ、どちらかが息苦しくなってしまいます。
ご主人にも、定年前から少しずつ「仕事以外の居場所」を持ってもらうことが大切だと思います。趣味というほど立派なものでなくても構いません。散歩、運動、地域の集まり、昔の友人との交流、家事の一部を担当することでもいい。会社以外に自分の役割や予定があるだけで、生活に張りが生まれます。定年を迎えてから急に探すのではなく、今から始めることが重要です。
ただ、ご主人に「趣味を持って」「家にいないで」と直接言えば、拒絶されたように感じるかもしれません。ですから、「定年後、2人とも気持ちよく暮らすために、今からそれぞれの時間について考えておきたい」と伝えるのがよいと思います。ご自身も、これまで続けてきた友人との時間や習い事、外出の予定を遠慮なく大切にしてください。夫が家にいるからといって、自分まで予定を変える必要はありません。
私自身、夫婦はすべてを共有する関係ではなく、お互いの人生を尊重しながら、必要なときに支え合う関係だと思っています。一緒に食事をする、時々出かける、困ったときには話を聞く。その一方で、それぞれが好きなことをする時間も持つ。そうした余白があるからこそ、会話にも新しい話題が生まれます。
また、定年後はご主人に家事へ参加してもらうことも大切です。それは手伝いではなく、2人で暮らす生活の分担です。これまで仕事を担ってきたからといって、退職後も家庭のことをすべて妻に任せるのでは、お互いに不満がたまります。今のうちから少しずつ役割を共有しておけば、定年後の変化も穏やかになります。
夫婦関係は、子育てや仕事が一区切りついた後に、もう一度つくり直す時期が来ます。若い頃の関係に戻る必要はありません。これからの2人に合った、新しい距離感を探せばいいのです。
ご主人への感謝と、ご自身の時間を大切にしたいという気持ちは、決して矛盾しません。どちらも大切にしていい。定年を迎える前から率直に話し合い、それぞれの時間と2人の時間をどうつくるか決めておくことが、穏やかな夫婦生活につながると思います。
◆西村誠司(にしむら・せいじ)1970年生まれ、愛知県出身。「にしたんクリニック」などを展開するエクスコムグローバル株式会社代表取締役社長。名古屋市立大学を卒業後、外資系コンサルティング会社に入社。2年で退職して25歳で起業、現在年商333億円に成長。TikTokフォロワー数8万2000人。
