【回答者・松野明美】人前で話すのが大の苦手 笑顔を作り大きな声ではっきり!
【聞きたい】人前で話すのが大の苦手なんです。自分なりにこう話そうと準備はするのですが、大勢の前に立つと、覚えていた内容がすべて頭から吹っ飛んでしまいます。1対1の会話ならそうでもないのですが…。いい方法を教えて下さい。(38歳・女性)
【答えます】人の前で話すのは、普段しゃべるのとは違って緊張しますよね。私もそうでした。今でこそあいさつを頼まれると「一言で」とか「手短に」と言われてしまうほど“得意種目”ですが、以前は違いました。
ソウル五輪に出た後、21歳の時に初めて「オリンピックの思い出」を1時間話すことに。「スピーカー」というあだ名だったにも関わらず、頭が真っ白になって、何をどうやってしゃべったか全く覚えていません。気がついたら、その時の陸上部の監督が後を務めて下さっていました。苦い思い出ですね。
その後また1時間の講演を頼まれて、今度は話したいことを400字詰め原稿用紙10枚にまとめて行ったんです。でもやっぱり緊張して棒読みになって、どこを読んでるかわからなくなり…15分で終わりました。また監督に残り45分間をつないで頂きました。
場数を踏んで慣れるしかないんでしょうね。私は週に3回講演という時期もあって、2~3年したら何てことなくなりました。5年たったら壇上から人の目を見て話せるようになりました。
話す前に体を動かすといいですよ。頭の回転も良くなります。緊張しても、まずは背筋を伸ばすこと。心と体はつながっていますから。それから、無理にでも笑顔を作って場をなごませること。大きな声で話すことも大切です。大きな声ではっきり言うと、かなりいいことを話しているように見えます(笑)。人の評価を気にしないことも重要ですね。
今は講演会があると、うれしくてうれしくて…。自分の思いを聞いて頂けるんですから、これほどありがたいことはないです。あなたも恥をかいて、得意種目にして下さい!
◆松野明美(まつの・あけみ)熊本県出身、50歳。88年ソウル五輪女子1万メートル出場。引退後の01年に結婚、2児の母。現在は熊本県議会議員。講演、タレントなど多方面でも活躍。デイリースポーツマラソン評論家。