【回答者・松野明美】勝負強くなるには…24時間勝負のことを考えること!
【聞きたい】私は昔から勝負弱いのです。スポーツも受験も、果てはじゃんけんまで…。スポーツ選手が大きな舞台で勝つところを見たりすると、なぜうまく実力が発揮できるのかと不思議に思うほど。松野さんに勝負強くなる秘けつを教えてほしいです。(36歳・女性)
【答えます】じゃんけんはわからないですが(笑)スポーツで勝負強いというのは、たとえ練習の成果を半分しか発揮できなかったとしても勝てる練習をしているからなんです。
私は現役時代、実業団チームにいましたが、入社半年間は勝てなくて…。チームで、九州で、全国で勝つには人と同じ練習では勝てないと、人の2倍練習しようと思いました。朝練習でみんなが6時45分に起きるところを5時45分に起きて、30分間全力で走りこっそり寮に帰ってまた寝る。何食わぬ顔でみんなと一緒に起きて、朝練習をしていました。
それでも勝てなくて3倍、4倍やろうと、寮から勤務先まで往復14キロを走って通うようにしました。月に1~2回の練習休みの日は押し入れに隠れ、みんなが出掛けてから40キロ走に行っていました。見つかったら真似されますからこっそり。監督に見つかって怒られたこともありました。
私は3年間ぐらい日本の選手に負けたことがない時期がありましたが、当時はそういう生活をしていました。これはスポーツの裏側の話ですが、これだけやって自信がついて、プレッシャーや恐怖心がパワーに変わる。それが勝負強さになるんだと思います。
本番だけでなく日ごろどれだけ勝負のことを考えているかが重要です。勝負にもいろいろありますが、本当に勝ちたいなら期限を決めて、眠っている間も含め24時間勝負のことを考えることです。
お答えするのは今回が最後になります。こうして相談を受けるのは初めてでしたが、喜びでありうれしい経験でした。50歳になって自分を見直す、いいきっかけになりました。またどこかでお会いしましょう。
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松野明美(まつの・あけみ)熊本県出身、50歳。88年ソウル五輪女子1万メートル出場。引退後の01年に結婚、2児の母。現在は熊本県議会議員。講演、タレントなど多方面でも活躍。デイリースポーツマラソン評論家。