【金本知憲氏×新井貴浩氏対談6】勉強と一緒…練習しないと技術は絶対身に付かない

 本紙評論家で前阪神監督・金本知憲氏(51)、昨季限りで現役を引退した新井貴浩氏(42)がスペシャルトーク。練習に対する考え方、取り組み方を語った。以下は対談その6。

  ◇  ◇

 新井「やらされる練習も身になるんですよ。僕は身を持って体験していますから。守備もひどかったし、本当にヤバかったですよ。特に若い時は」

 金本「守備練習をやっている姿を見て、新井さんは努力家ですねってマスコミは言うでしょ?あれはおかしいよ!!守備練習はやらされての練習だから(笑)守備コーチがノックするぞってやって、それで新井さんは努力家ですって…それだけは俺は違うだろ!!って言いたい」

 新井「いやいや、やらされてやる練習も間違いなく身になります。寝ててうまくならないですからね」

 金本「分かりやすく言えばね、プロ野球って勉強と一緒で、勉強しなくてもちょっとの学習時間で東大に入る子っている。もう地頭がいい子、野球に置き換えればセンスがある子。でもガリ勉で東大に入る子もいるわけよ。頑張って頑張って、浪人して東大に入る子。野球も一緒。あとは地頭が良くて、自ら東大に行きたいと目標を立てて頑張れる子。親に塾に行かされて、ガリ勉させられて行く子もいる。とにかく勉強しないとテストの点数は上がらないわけよ。だからそれは野球と一緒だと思うんよ。野球も練習しないと技術は絶対に身に付かないから。練習して、考えて。俺はそう思う。勉強しないと点数は上がらない」

 -新井氏が初めて球宴に出た時に、当時ヤクルトで守備の名手・宮本(現ヘッドコーチ)に話を聞きに行ったエピソードがある。そういう姿勢はすごかった印象がある。

 新井「姿勢は素晴らしかったですから(笑)。姿勢は。金本さんは目の前で僕を褒めるのがシャイな方なので、言いたくても言えないんでしょうけど(笑)だからあえて自分で言いますけど、すごいですよ。姿勢は素晴らしい!」

 金本「姿勢は素晴らしいよ。ただその気持ちが行動に結びつかないといけない。そら慎也に守備を教えてくださいって話を聞きに行ったのは、『どうやったら楽してうまくなるだろう』って考えからやろ?コツを教えてくださいって(笑)絶対に、そうやろ?」

 新井「違いますって!」

 金本「近道やろ。練習して体で覚える前に、コツを聞きに行ったって。守備のコツをな。大事なことやんか。グラブを下から出しなさい、こういうふうに捕りなさいとか。何かきっかけを求めに行ったんやったらな」

 新井「(第1回)WBCの時に、慎也さんにすごい怒られたことがあったんですよ。日本ラウンドの試合前練習で、辻さん(現西武監督)と一緒にグラウンドの横の方でゴロ転がしをやっていたら、めっちゃ怒られた。もう開門して子供たちも客席に入ってきていた。『お前な、このユニホームを着ているんだぞ』って。『日本代表がゴロ捕球の練習をするな』って。それはすごい覚えてる」

 金本「バカじゃけえの(笑)。それも辻さんにやらされたんやろ?」

 新井「そうです。辻さんに『ちょっとやろう』と言われて。とにかく怒られた、怒られた。辻さんにやろうって言われたなんて言えなかったくらい。完全に目が怒ってましたからね」

 金本「でも分からんで。ファンからしたら日本代表の選手でもゴロ転がしをやってるって。基本練習って大事なんだって。思ってるかもしれんで(笑)」=終わり=

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