試合中に10回戦→8回戦の珍事 元世界王者の山中竜也が圧勝も必死のラストスパート

 ジョナサン・タコニン(左)と復帰2戦目を戦う山中竜也
 ジョナサン・タコニン(右)と復帰2戦目を戦う山中竜也
 ジョナサン・タコニン(左)と復帰2戦目を戦う山中竜也
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 「ボクシング・8回戦」(14日、神戸市立中央体育館)

 元WBO世界ミニマム級王者の山中竜也(27)=真正=が、WBC世界フライ級15位のジョナサン・タコニン(35)=フィリピン=を3-0判定で下し、復帰第2戦を飾った。

 前代未聞の“ラストスパート”を山中が見せた。7回終了のインターバルで、審判が「8回、ラストラウンド」を告げると、山中とセコンドの山下正人会長は目を丸くして「10回戦ですよ」と訴えた。

 しかし、公式記録上は8回戦として試合は続行。そこまで優勢に進めていたとはいえ、山中は急きょ迎えた最終回に必死のラッシュ。KOには至らなかったが、3人のジャッジがフルマークの圧勝となった。

 8回が終了すると、この興行のプロモーターでもある山下会長が採点結果を聞く前にマイクを持ち、「10回戦と申請を出していたが、行き違いで8回戦になってしまった。すいません」と観客に謝罪。その後、リングアナウンサーが判定をコールする異例の事態となった。

 同会長は「JBCには10回戦で申請していた。相手もそのつもりで、ファイトマネーを払っている。ポイントで勝っていたからよかったが、こんなことは初めて」と首をかしげた。実際、ジムが製作した試合のパンプレットも10回戦とされているが、JBCが発行するこの日の公式対戦表には「8回戦」と明記されていた。

 試合後、山中は「フルマークだとは思っていなかった。9、10回で倒せたらと思っていた」と苦笑いで振り返った。WBC世界ライトフライ級王者の拳四朗(BMB)へ挑戦経験もあるサウスポーのタコニンに対して、フットワークやフェイント、ボディーワークと多彩な攻撃を見せた上で、終盤勝負を計画していた。「めちゃくちゃ面白くない試合になったが、動けるボクシングができてホッとした」と振り返った。

 山中は18年7月に世界王座の2度目の防衛戦で敗れ、硬膜下血腫が判明。日本ボクシングコミッション(JBC)の規定で一度は現役を引退したが、昨年12月の規定変更で復帰がかなった。今年3月に3年8カ月ぶりに復帰し、KO勝利を飾っていた。

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