「ボクシング・４回戦」（１８日、後楽園ホール）

　人気格闘家の朝倉未来が社長を務める１分間最強をうたう格闘技イベント「ＢｒｅａｋｉｎｇＤｏｗｎ（ブレイキングダウン）」出身で、初めてプロボクサーに転向した“ポーランドの刺客”ことパヴェウ・ナツキ（３０）＝ワタナベ＝がデビュー戦に臨んだ。対戦相手を務めたプロ２勝（１ＫＯ）の佐々木革（１９）＝八王子中屋＝は、４回２分５９秒ＴＫＯで勝利した。

　ＷＢＯ世界ウエルター級２位の佐々木尽（八王子中屋）を兄に持つ１９歳は、プロボクサーの先輩として意地を見せた。初回こそ互角に打ち合ったものの、スタミナに課題のある相手を冷静に攻略し、２回には体勢を崩した相手に右フックを振り降ろしてダウンを先取。さらに、最終４回には残り３０秒を切ってからラッシュを仕掛け、残り１秒でレフェリーストップとなった。

　“ブレイキングダウンからの刺客”をしっかりと倒しきった佐々木は「めちゃくちゃ楽しかった」とホッとした様子。ポーランドの刺客がデビュー戦の相手を募っていたところ「注目度のある人とやりたかった」と自ら手を挙げたが、「気合が（入ったのが）良かった。絶対に負けられないと。（相手は）ブレイキングダウンから来て、自分が負けたらボクシングがなめられる。それもあって、絶対に勝たなきゃ、負けたら終わりだなと思っていた」と、ボクシングを代表して秘めていた覚悟を明かした。

　前日計量での相手とのツーショット写真がＳＮＳでアップされると、それを見た人から「体つきが弱そう」などと、少なくない数の心ないコメントも散見された。「Ｘでめっちゃ（自身の）体つきが言われていた。ふざけんなよ、と。絶対に負けたら言われるなと思って」と、それも発奮材料になったと佐々木。ミドル級ながら普段は９０キロ近く体重があり、１６～１７キロもの大幅な減量をして試合に臨んでいると明かし、「これでも毎回頑張って落としてるんですよ（笑）。言わないでよ。体もこれから頑張ってつくりあげる」と今後の課題とした。