衝撃KO負けの武尊、2週間前に肋骨と胸骨骨折しドクターストップだった 同門の野杁正明が告白 全治7週間、呼吸もままならず
23日にさいたまスーパーアリーナで行われた「ONE」で、元ONEフライ級ムエタイ世界王者のロッタン・ジットムアンノン(27)=タイ=にKO負けしたK-1元3階級王者の武尊(33)=TEAM VASILEUS=が、大会2週間前に骨折していたことが分かった。25日、都内で会見したONEキックボクシング・フェザー級王者の野杁正明(31)=TEAM VASILEUS=が明かした。関係者によると、スパーリング中に左肋骨と胸骨の2箇所を骨折し、全治7週間と診断されてドクターストップ状態だったという。
大一番に臨んだ武尊は、ロッタンの左フックを2発被弾し、ダウン。10カウントを聞き、わずか80秒でKO負けを喫した。
衝撃のシーンから2日。野杁は意を決したように口を開き、「話すと怒られるかもしれないが、武尊君が万全じゃなかった。(準備期間は)ずっと調子がよくて、追い込みも過去最高の状態をつくっていたが、試合前に2箇所骨折していて。あばらと胸骨を。もちろん練習もできないし、呼吸すらままならなくて。ジムに来て軽く動くが、すぐにうずくまって動けない状態が続いていた」と告白。「でも、武尊君の中で欠場するという選択肢はなかった。僕としては世紀の一戦が決まって、万全の状態で試合してほしかった。だから、ファンからは(武尊が)もろくなったとか色んなことを言われていると思うが、本当にあんなもんじゃないので、武尊君は。まだまだできると思うし。僕は武尊君がONEのベルトを巻ける人間だと思っているので」と語った。
今回、武尊本人にはことわりなく状況を明かしたという。「武尊君は折れていたと絶対に言わないと思うが、誰かが言わないとわからないじゃないですか。ずっと隠していて、色々言われるのは悔しいので。武尊君から『何で言うの?』と言われるかもしれないが、覚悟の上でお伝えできればと」と真意を語った。
武尊と2人でベルトを巻くことが目標だったが、自身はタワンチャイ(タイ)から金星を挙げて先に王座に就いた。「武尊くんはああいう結果に終わったが、武尊君とベルトをとるという気持ちは変わらない。今後どうするかは武尊君が決めることだが」と現役続行を願った。
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