ポリ袋じゃなければOK?…「紙袋」を無料提供する、神戸のコンビニが話題に

7月1日から法制化されたレジ袋の有料化。

この政策は海洋環境に配慮した脱プラスチック化の一環として実施されたものだが、これまで無料だったものが2円から5円程度とは言え有料になり、また自ら注文しないといけなくなったことに不便さや戸惑いを感じている方は多いと思う。

そんな中、従来のポリエチレン製レジ袋に代わり、紙袋を無料で提供して好評を得ているコンビニがあるという。それは神戸市の旧市街、新開地にたたずむ「ファミリーマート神戸新開地店」。

同店が紙袋を提供するようになったいきさつはどのようなものなのだろうか?そしてお客の反応は?同店の小野オーナーにお話をうかがってみた。

中将タカノリ(以下「中将」):お店で紙袋を提供するようになったのはいつからですか?

小野:7月1日にポリエチレン製レジ袋が有料になってしばらくしてからです。そんなに大きなサイズではないのですが、基本的にすべてのお客様に無料提供しています。

中将:導入したきっかけはなんだったのでしょうか?

小野:これまでは何も言わなくてもポリ袋に入れるのが当たり前だったので、それが変わってお客様から戸惑いの声があったんです。このままではいけないなと思い、急ぎ紙袋を導入しました。

中将:高齢の方もおられるだろうし、現場は「法律変わりました」だけでは済まないんでしょうね。紙袋を導入してお客の反響はどうでしたか?

小野:紙袋を提供しているのはこの近所ではうちだけだと思うので、喜んでいただける方が多いですね。みんながマイバッグを持って行動しているわけじゃないですし、精算時のやりとりもスムーズになりますし。

中将:やりとりのスムーズさは大きな要素ですね。僕は有料になってもポリ袋を買っているんですが、わざわざ「ポリ袋ください」と言ったり枚数やサイズを考えるのは正直面倒くさいです。しかし、すべてのお客に紙袋をつけるのは経費の面で大変じゃありませんか?

小野:従来のポリ袋は1000枚で約300円なんですが紙袋は50枚で約350円。けっこう高くつきますが、結果的に考えるとそのほうがプラスになると思っています。紙袋は水に溶けて環境にも優しいですし、なにより店舗としての個性を出すことができますから。

中将:最近よくコンビニ本部と店舗オーナーの関係が話題なりますが、紙袋を導入するにあたり本部との調整は大変じゃありませんでしたか?

小野:いえ、ファミリーマート本部としても紙袋の導入はウエルカムなんですよ。レジ袋の有料化が決まった段階で「紙袋は無料で大丈夫」という案内もありました。ちょうど先週、本部の方とお電話していたんですが、うちで紙袋を提供してお客様に喜んでいただけていることを話すと喜んでくれました。

※インタビュー内容は小野オーナーの個人的見解でありファミリーマートの公式見解ではありません(2020年9月28日追記)

   ◇   ◇

「ファミリーマート神戸新開地店」

所在地:兵庫県神戸市兵庫区福原町 3番17号

営業時間:24時間

   ◇   ◇

ファミリーマート神戸新開地店の紙袋導入は決して法やルールの抜け穴を狙ったものではない。経済産業省のホームページでも紙袋や持ち手の無いポリ袋は有料化の対象外だと明言されており、インタビュー中の小野オーナーはそれを確認した上でこのサービスを実施したのだ。

日常生活に極めて密接なものでありながら、国民の十分な理解を得ることなくなし崩し的に始まってしまったレジ袋の有料化。現場の混乱を回収しようと奮闘する小売店の努力には頭が下がるばかりだ。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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