タラバガニ、本ズワイガニ、毛ガニが高騰…それなら紅ズワイガニ 上手な選び方と食べ方を聞いた

これから本格的な冬を迎えますが、同時に食べたくなるのがカニ! 他の魚介類に比べ、総じて高額なので日常的に食べるには手が出しにくいものですが、日本一の魚屋チェーンとして人気爆発の角上魚類では、安いもので千円前後で買えるカニもあります。

一口に「カニ」と言っても種類が様々で、「カニ食べたい」と思ってもどれを選んだら良いのか、素人目にはよくわからないのも正直なところ。そこで今回は角上魚類・新潟寺泊本社の「カニのマイスター」とも言うべき、田辺康博さんにそのアレコレを聞いてみました。

■タラバガニ、本ズワイガニ、毛ガニなどが高騰している理由とは?

--「カニ」と言っても種類が様々ですが、最近は人気のカニが高騰しているというニュースも目にします。本当ですか?

田辺康博さん(以下、田辺) 近年はタラバガニ、本ズワイガニ、毛ガニなどが年々高騰傾向にあります。特にタラバガニは10年前に比べ、冷凍のものでさえ入手しにくい状況です。

--どうしてタラバガニ、本ズワイガニ、毛ガニなどが高騰しているのでしょうか。

田辺 「日本国内の水揚げ量の減少がある一方、海外(アメリカ、カナダ、ロシア)の水揚げ量はコロナ禍によって漁の回数が減り、加工工場も従業員が集まらず、生産量が大幅に減りました。それに加え、中国やアメリカの需要が強くなり、日本が買い負けている状況だ」といった話はよく聞きます。

もちろん、そんな中でも角上魚類ではできるだけ人気のカニもできるだけ安くご用意できるよう努めていますが、一方で弊社がオススメしたいのが日本海で水揚げされる新潟県佐渡の紅ズワイガニです。

--1杯千円前後から販売されており、庶民の懐に優しいカニですが、これはどういったものなのでしょうか?

田辺 本ズワイガニよりも水分は多いですが、味は変わらず甘みがあり、身は繊細な味わいです。ただ、カニ味噌が柔らかいため、中には水揚げや茹で上げる際などにカニ味噌が流れてしまうものもあります。このため、紅ズワイガニを買われる場合は、安くても質の良いものを選ぶ必要があります。

--流通上では、前述のタラバガニ、本ズワイガニ、毛ガニなどよりも安定しているのですか?

田辺 はい、水揚げ状況にも左右されますが、比較的安定しています。佐渡の紅ズワイガニは古くから資源保護のために「メスを獲らない」「小さいカニは逃すようにする」といった仕組みをとっていること、そして何より弊社が佐渡の漁師さんと古くから取り引きをさせていただいており、今も安定した漁獲量となっています。

■良質な紅ズワイガニの選び方4箇条!

--先ほど「安くても質の良いものを選ぶ必要がある」とおっしゃいましたが、どういった点に注目すれば良いのでしょうか?

田辺 大まかに以下の4点です。

①持ってみて重いものを選ぶ……身がしっかり入っている

②カニの甲羅が硬いものを選ぶ……カニ味噌が流れ出ていない

③足がパンパンのものを選ぶ……足自体の太さ・細さよりも「パンパン」に身が詰まっているかどうかが大切

④お腹を見て「透けていないもの」を選ぶ……お腹も「パンパン」で身が詰まっているかどうかが大切

角上魚類では、お客さまに直接魚類を見ていただけるよう、手袋をご用意していますので、これを使って店頭で上記4点をチェックしてみてください。

--①~③はなんとなくわかりますが、④の「お腹が透けている」かどうかがよくわかりません。

田辺 お腹が透けてしまっている紅ズワイガニは、身が痩せてしまっていることが多いです。わからない場合はもちろんスタッフが選びますので、遠慮なくおっしゃってください。

■紅ズワイガニ、オススメの食べ方は?

--こういった「良質の紅ズワイガニ」「そうでもない紅ズワイガニ」を、角上魚類ではどう差別化して販売されているのでしょうか?

田辺 水揚げから弊社に入ってくるまでは、どうしても「良質のもの」「そうでないもの」が無差別に入ってきます。そこは茹で時間や冷ます時間などを調整する、良質でないものは価格を安く販売するなどを行っています。こういったことも、店頭でスタッフにご質問いただければ嬉しいです。

--最後に、紅ズワイガニのオススメの食べ方を教えてください。

田辺 そのまま食べるのも美味しいですし、これからの季節は鍋も美味しいと思います。また、足を天ぷらにしたり、炒飯の具にしたり、パスタと和えたりなども美味しいと思います。ぜひ角上魚類の紅ズワイガニ、ご賞味いただければ幸いです。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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