「あれ?二人の提案内容がほぼ同じだが…」よき相談相手だと思っていた同僚に、自分のプランを“盗まれた”!

企業で働く社員の能力や成果を評価する「人事評価制度」ですが、学校でたとえるなら通知表のような「社内評価」が気になるという人も少なくありません。これまでの年功序列に変わり、成果主義が主流になる中で、評価をめぐるトラブルも起きています。たとえば成果主義の組織では、同僚は仲間ではなく競争相手になってしまうことがあり、成果を奪い合うことで、人間関係が悪化してしまうケースがあるようです。地元の大手企業に就職して約8年が経過したAさんも、評価をめぐるトラブルに直面した一人です。

■「人の考え」を「自分の考え」として上司に提案する同僚

Aさんは主任という立場にあり、同じ部署には約25人の社員がいます。Aさんと同じ部署には、Bさんというとても仕事熱心で、上昇志向が強い人もいました。BさんはAさんと同期で、プライベートでも仲がよく、職場ではよきライバルとして切磋琢磨していました。

そんなある日、Aさんの上司はBさんが提案した案がとてもよいと評価し、社員の前でプレゼンをするようにBさんに話していました。一方、Aさんが自分の案を翌日提出すると、上司から驚くような言葉が返ってきたのです。

「あれ?Bのものを見たのか?ほぼ内容が同じだが…」

Aさんの提案はこれまで何カ月もかけて考えてきたもので、Bさんにも相談していました。AさんがBさんに相談すると、いつも自分のことのようにBさんは真剣に考えてくれていたのです。

「もしかして、自分の提案を、BさんがBさん自身で考えたようにして提出したのでは」…気になったAさんはBさんに話を聞きました。

■「俺も意見や考えを伝えてきたから、俺が考えたものでもある」

Aさんは仕事が終わったあと、コーヒーショップにBさんを誘い、話を聞いてみました。するとBさんは笑いながら「あの案には、俺も意見や考えを伝えてきたよな。だから俺が考えたものでもある」と答えたのです。

これまでよきライバルでもあり、よき相談相手と思っていたBさんの言葉に、Aさんは頭が真っ白になりました。一方、Bさんは話をしているうちに、ヒートアップ。周りに聞こえるような声で、Aさんを批判しはじめました。

AさんもBさんも気づいていなかったのですが、そのコーヒーショップにはちょうど同じ部署の別の社員がいて、2人の話をすべてを聞いていました。ことの真相を知った社員は、すべてを上司に伝えたのです。

■上司がAさんを信用した理由とは?

状況を知った上司は2人を呼び、話を聞きました。日ごろから話すのが上手なBさんは冗舌に上司に話し、Aさんは事実のみを伝えました。

その結果、上司はこの提案について「Aさんの考えに基づくものである」と判断。Bさんの案は却下されました。実は上司は提案の内容だけではなく、日ごろの仕事に対する姿勢や周りの社員への接し方などを見ており、Aさんに信頼を置いていたのです。

今回のトラブルを経験したAさんは、「評価を気にしすぎて、一緒に働く仲間に対して誠実な対応ができない人は、きっとお客様や自分にかかわってくれる人に対しても、独りよがりな態度をとってしまう恐れがあるかもしれない」と感じたそうです。また、そうした態度は自分では気づけないこともあるため、定期的に自分の言動を振り返る習慣が大切だとも話をしてくれました。

(まいどなニュース特約・長岡 杏果)

関連ニュース

ライフ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス